インランド・エンパイア (2006) France/Poland/US ＜Inland Empire＞ [film reviews]
『マルホランド・ドライブ』から6年、待ちに待ったリンチの新作が日本にもきましたね♪前売り券をもって、ハリきって恵比寿ガーデンシネマに行ってきました。リンチといえば、公式HPのDaily, Weather Report in L.Aをやってる所にウケて、L.Aのブルースカイはさぞかし気持ち良さそう～と思いつつ、時々のぞきに行ったりしています。『マルホランド～』は観た後に妙に興奮して、「あれは○○やったかなぁ？」「これは△△？」と劇場前の看板を前にして、知らないオバサマ達とひとしきり盛り上がったっけ。
街の権力者を夫に持ち、自身も女優というニッキー。新作映画の主演に抜擢され大喜びしたのも束の間、不倫を描いたその作品は曰くつきのポーランド映画だった上、映画のストーリーと折り重なるように、共演者のデヴォンと不倫に陥ってしまう。ニッキー演じるスーザンが巻き込まれる愛憎、元ネタ映画の舞台・ポーランド、3人のウサギ、ロストガールといった不可解な世界が複雑に絡み合い、ニッキーは我を失っていく－－－
『ストレイト・ストーリー』のが公開された際には、「新境地を開拓」やら「リンチらしからぬ作風」と騒がれ、『マルホランド・ドライブ』の時には過去の作品たちの集大成のような、格段に完成度の高いところをみせつけられた。しかし今作は、彼の原点ともいえる『イレイザーヘッド』を彷彿させる、"我が道をゆく"世界観を余す所なくみせられた感じ。実は、179分という長尺になったせいもあり、途中退席もチラホラみられた。しかも、私のスグ脇を抜けようとした若い女性が突然視界から消え（転倒）た時には、(^-^; 申し訳ないけれど笑ってしまった。
リンチらしく、よくは訳がわからない、観るものに委ねるものが大きいのって嫌いじゃないけれど、今作はぶっちゃけもっと凝縮しても良かった？と思う。細かくカテゴリー分けするなら、サスペンスというよりはアート色が強い今作を、3時間観せられると正直なところツラかった。もう一度観たいと思うシーンは幾つもある。点と点を荒くなぞったり、いびつなパズルのピースを無理やりにはめ込んだりして私なりのリンチワールド（解釈）にハマってみたい気持ちはある。しかしいかんせん、3時間の壁はかなり厚いなと感じている。
ローラ・ダーンは『ブルーベルベット』の頃と比べると、格段に顔が伸びた（？）気がする。もっと清楚な良いところのお嬢さんっぽかった気がしたけどなぁ。ナオミ・ワッツは、謎のウサギの被り物をしてた一人として参加。全然気がつけないよ～！
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2002/08/21
- メディア: DVD
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2005/03/02
- メディア: DVD
- 出版社/メーカー: パイオニアLDC
- 発売日: 2002/08/23
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◇監督:デヴィッド・リンチ ＜David Lynch＞ ◇脚本:デヴィッド・リンチ ＜David Lynch＞ ◇撮影:デヴィッド・リンチ ＜David Lynch＞ エリック・クレーリー ＜Erik Crary＞ オッド・イエル・サルテル ＜Odd-Geir Sather＞ オーレ・ヨハン・ヨシュカ ＜Ole Johan Roska＞ ◇出演:ローラ・ダーン ＜Laura Dern＞ ジェレミー・アイアンズ ＜Jeremy Irons＞ ジャスティン・セロー ＜Justin Theroux＞ カロリーナ・グルシュカ ＜Karolina Gruszka＞ （声のみ）ナオミ・ワッツ ＜Naomi Watts＞
＜3時間観せられると正直なところツラかった。＞
蟻銀さんがそう言うとは！
わたしのような一般人だったら、どっと疲れて布団の上に倒れ込む!?!?（笑）
3時間の壁は厚いんですね。
＜サスペンスというよりはアート色が強い＞
サスペンスだったら3時間は持つと思うけど、アート色というのはどんな感じなんでしょう。気になるけど、ツライと言われるとツライし〜。（笑）
まだまだ暑いですね。体調には気を付けてね。
by berry (2007-08-21 16:34)
berryさん、こんばんは。nice!をありがとうございます。
作品のタイプとして、３時間も続くのはどうなのか？と議論したくなる一作でした。ほんとに。
それにしても、残暑厳しいですね。berryさんもお出かけの際にはお気をつけ下さい。私も、事務作業はサクサクはかどるんですが、億劫になって行かなきゃいけない所を巡回してません・・・。
by クリス (2007-08-27 22:36)