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街のあかり (2006) Finland/Germany/France <Laitakaupungin valot > [film reviews]

 アキ・カリウマスキの映画を観るのは、1996年の『浮き雲』振りになります。日本には、ちょっと遅れてやってきたとしても、ヘタしたら10年振りに観たのかも。『浮き雲』は評判をきいて観に行き、カリウマスキ洗礼をモロに受けた記憶があったばかりに、今作もどこか神がかりな展開を期待していたところがあったが、残念ながらそれ程のレベルには至っていません。ラブホ街にある、渋谷のユーロスペースにも5年以上振りに行ったら、道に迷ってしまいました。ケータイがあると、そんな時にもスグ地図がみれるって便利~なんて、いまさらそんなi mode機能に感心しています。日本は便利な国だけれど、そこそこ不便な環境にも、文句をいわず身をおけるようにしていたいな。

冬のフィンランド、ヘルシンキ。ある警備会社に夜警として働くコイスティネンは、同僚からも疎まれ友人さえいない。夜明けにソーセージ屋へ寄ることが唯一の日課だ。そんなある日、突然ミルヤと名乗る女性が彼の前に現れる。恋に落ちたコイスティネンは、ミルヤの本来の顔を知るよしもなく、いいように担がれた末に宝石強盗の濡れ衣を着せられてしまい---

コイスティネンの人となりを紹介するのに、「純粋」、「不器用」といった言葉もあてはまらないことはないけれど、あえて「鈍感」な奴と呼びたい。何故なら、スグそこにいつも転がっている小さな幸せに、観ているこちらがイラッとするくらいに気づかないから。彼が恋に落ちるミルヤについても、フィルム紹介欄には必ず"美女"とついてくるが、「何処が美女なの?」と、紹介記事を書いた人にも北欧人にも聞きたいくらいに、寄り目だったり化粧がオバさんくさかったりする。これは、コイスティネンにパートナー選びのセンス、仲間を作るセンス、暮らしを楽しむセンスが皆無なことを、如実に語っている。

コイスティネン自身は、実はよくみるとハンサム顔をしているが、センスのなさが覆いかぶっていてなかなか気がつけない。怖いくらいに実直なところ、負け犬の遠吠えのようにみえて実は口だけじゃないところ・・・は、挙げてみるとGood Pointsなハズなのに、絶妙なバランスを持って空回りする所が監督の力量かと思う。ただ、『浮き雲』のようなふわっと気持ちが急上昇するラストは感じられなかった。90分をきる上映時間においても、コイスティネンの「鈍感」さにイラッとし続けてしまったせいかもしれない。

真夜中の虹/浮き雲

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  • 発売日: 2002/05/24
  • メディア: DVD
過去のない男

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◇監督:アキ・カウリマスキ <Aki Kaurismaki> ◇脚本:アキ・カウリマスキ <Aki Kaurismaki> ◇撮影:ティモ・サルミネン <Timo Salminen> ◇音楽:メルローズ <Melrose> ◇出演:ヤンネ・フーティアンネン <Janne Hyytiainen> マリア・ヤンヴェンヘルミ <Maria Jarvenhelmi> マリア・ヘイスカネン <Maria Heiskanen> イルッカ¥コイヴラ <Ilkka Koivula> カティ・オウティネン <Kati Outinen>


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