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さらばベルリン (2006) US <The Good German> [film reviews]

 昨夜になって、はじめて今作がもう公開されていることを知りました。ソダーバーグとクルーニーなのに、地味すぎる扱い(涙)東京はTOHOシネマズ六本木のアートスクリーンのみの公開、しかも9月下旬公開なのにラストウィークに入っているし。小作や非アメリカ映画はよくあるけれど、ビックネーム(上記二人+トビー=スパイダーマンとケイト=エリザベス)が並ぶ2006年製作のアメリカ映画がなかなか日本にこなかったというのは、なんかあるなぁと少し不安な気持ちを抱えつつ上映を待ちました。

 ヨーロッパにおける戦後の方向性を決めるポツダム会談取材の為、ベルリンに入ったアメリカ人ジャーナリストのジェイク。戦前、ベルリンに記者としての駐在経験があり、その際に不倫の間柄だったレーナのことが心に引っかかっていた。そのレーナと思いがけず再会したジェイクは、彼女が今一緒にいるのはジェイクの運転手、米兵タリーと知って戸惑う。やがて国家レベルの巨大な陰謀に巻き込まれ---
 
1940年代のクラッシック時代のハリウッドスタイルを、カメラワーク、モノクロの色合いをもちいて再現。音楽も昔っぽく、カメラがシャッと誰かに寄った時に、ジャジャーンという音が入り(擬音すぎ?)、ソダーバーグのカメラワークも、キャラクターに吸いついていかず、カメラの前にキャストが立ち寄る感じ。モノクロの色合いも、『グッドナイト&グッドラック』より濃淡がはっきりしていて、ポツダム時の記録映像フィルムを挿入しているけれど、表面のざらつき感も濃淡も挿入映像に近い画質となっていて、戦後ヨーロッパの雰囲気作りには成功しているといっていい。
 
私の好きなクラッシック映画、『哀愁』を彷彿させるような設定(ヒロインが売春婦になったり)、『カサブランカ』そのままの飛行場シーンの構図etc.もまた魅せてくれる。だたの焼き直しにならないのは、ストーリーにミステリアスな雰囲気が終始漂っていて文句がなかったこと。なのに釈然としないのは、余りにも幕切れ後味が悪かったからかもしれない。心の何処かに、小さいけれどねばりっこく引きずる感じの心の引っ掛かりがある。主要三人の本意が計れなかったこと、埋めく巨大な陰謀への人々の関わり方が稀有だったこと、も理由に考えられるけれど、最大の理由はレーナにあることは明白。気になる方は、確かめてみては。
 
グッドナイト&グッドラック 通常版

 

グッドナイト&グッドラック 通常版

  • 出版社/メーカー: 東北新社
  • 発売日: 2006/11/22
  • メディア: DVD
哀愁

 

哀愁

  • 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
  • 発売日: 2006/12/14
  • メディア: DVD
カサブランカ

 

カサブランカ

  • 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
  • 発売日: 2006/12/14
  • メディア: DVD
 

◇監督:スティーブン・ソダーバーグ <Steven Soderbergh> ◇原作:ジョセフ・キャノン <Joseph Kanon> ◇脚本:ポール・アタナシオ <Paul Attanasio> ◇撮影:ピーター・アンドリュース <Peter Andrews> ◇プロダクションデザイン:フィリップ・メッシーナ <Philip Messina> ◇衣装デザイン:ルイーズ・フログリー <Louise Frogley> ◇編集:メアリー・アン・バーナード <Mary Ann Bernard> ◇音楽:トーマス・ニューマン <Thomas Newman> ◇出演:ジョージ・クルーニー <George Clooney> ケイト・ブランシェット <Cate Blanchett> トビー・マクガイア <Tobey Maguire> ボー・ブリッジズ <Beau Bridges> トニー・カラン <Tony Curran> リーランド・オーサー <Leland Orser> ジャック・トンプソン <Jack Thompson> ロビン・ワイガート <Robin Weigert> ラヴィル・イシアノフ <Ravil Issyanov>


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