題名のない子守唄 (2006) Italy/France <Sconosciuta, La> [film reviews]
グラスゴー時代の友達Yちゃんと、5か月振りの再会。今作鑑賞後、"スコティッシュグラマー"というパブレストランに行ってきました。スコットランドの懐かしい料理「ハギス」やイギリスの「ミートパイ」、「フィッシュ&チップス」を注文するも、視覚・味覚的にも想像していた地元料理からはかなりアレンジされていて、ちょっと残念。マッカラン12年 ファインオークが美味しかったこと、天然なYちゃんに「Kちゃん(私)には負ける」とキッパリ宣言されたこと、お互い働きはじめて、グラスゴーの学生時代からしてみると"馬子にも衣装"だったこと、ひっくるめて楽しかったデス!
北イタリアのトリエステという町にやってきたイレーナ。ウクライナ出身の彼女はある過去を背負っており、この町にやってきた理由を誰も知らない。彼女はある家族の暮らしぶりが覗けるところにフラットを借り、やがてハウスキーパーとして雇われる。夫婦の一人娘、テアも彼女になつき家族の信頼も獲得していくが、彼女はある秘密を抱えていた---
予告編をみて思い描いていた作品のイメージと、実際観た印象のギャップが大きいことって時々ある。特に日本版の予告は、いかに"感動"するかをウリに作っている気がして、予告編を鵜呑みにしてはいけなかったりする。不思議なことに、イギリスにいた間はこういう乖離を感じたことが一度もない。『マルコビッチの穴』のように、予告を観ると本編のサプライズが一気にへってしまうようなこともあった。鑑賞前に前情報を仕入れたくないなら、予告篇にさえ気をつかわなきゃいけない。
そのようなギャップがなければ(今作をサスペンスときちんと捉えていれば)、ミステリアスな雰囲気に酔えたのかもしれない。イレーナが何故テアのいる家族に固執したのかも、卑猥さも感じる度重なる過去のカットバック映像も、余りの説明のなさに多少イラッとしてしまった。モリコーネの音楽はいつものように耳に残る心地良さがあった反面、サスペンスシーンは脅かしの音が鳴り響き、イラッとした心を結果的に煽った感もある。やはり監督の作品なら、『ニューシネマ・パラダイス(完全版)』が飛びぬけて好き。とはいえ、『みんな元気』や『海の上のピアニスト』と比べれば、断然こちらのほうが観た甲斐があるかな。
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ <Giuseppe Tornatore> ◇脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ <Giuseppe Tornatore> マッシモ・デ・リタ <Massimo De Rita> イザベル・ソベルマン <Isabelle Sobelman> ◇撮影:ファビオ・ザマリオン <Fabio Zamarion> ◇美術:トニーノ・ゼッラ <Tonino Zera> ◇衣装:ニコレッタ・エルコーレ <Nicoletta Ercole> ◇編集:マッシモ・クアッリア <Massimo Quaglia> ◇音楽:エンニオ・モリコーネ <Ennio Morricone> ◇出演:クセニア・ラパポルト <Kseniya Rappoport> ミケーレ・プラチド <Michele Placido> クラウディア・ジェリーニ <Claudia Gerini> ピエラ・デッリ・エスポスティ <Piera Degli Esposti> アレッサンドロ・ヘイベル <Alessandro Haber> クララ・ドッセーナ <Clara Dossena>
こんばんは。
私は『ニュー・シネマ・パラダイス』に劣らぬ傑作だと思っちゃってますよ。個人的には女性向けの映画ではと思ったけど、クリスさん結構イラッと来てるのね(^^)。まぁ蛇足的要素は多々在ったかなという印象はありますが。
by (2007-10-21 23:22)
トチオさん、
こんなに恐怖を感じる作品とは思わなかったんですよ~!目を背けたシーンも幾つかありましたしね。予告編とえらいちがいです。
いや、面白く仕上がってると思いますよ。最後に少し、ほろっとしますしね。nice!をありがとうございます。
by クリス (2007-10-22 21:26)