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ハードエイト (1996) US <Hard Eight> [film reviews]

   好きな監督は?と訊かれると、スティーブン・ソダーバーグと共に、PTAを挙げていた時期がありました。最近はNew Filmがなくて彼の記憶が薄れていたけれど、2008年は彼の『There will be blood』が観られそう。そして、久し振りにPTA情報をimdbチェックしたら、2、3年前にフィオナ・アップルと別れていてビックリ。しかも、今の彼女と一児をもうけていて二度ビックリ!

   母の葬儀代を稼ぎにベガスにきて極貧となったジョン(ジョン・C・ライリー)は、偶然通りかかったシドニー(フィリップ・ベイカー・ホール)からギャンブルのイロハを教えてもらい、ひと儲けする。数年後、二人は、クレメンタイン(グウィネス・パルトロー)というウェイトレスに出会いジョンは彼女に恋をするが、ある日思いがけないトラブルに巻き込まれてしまい---
   フィリップとジョン・Cという、PTAファミリーじゃなければ結びつきにくいコンビがイイ。顔の系統からいって、ジョン役はフィリップ・シーモア・ホフマンが似合うと思っていました。けれど、「あなた(シドニー)に子弟のようにまとわりついて、いつも従順なジョンって可愛い」というクレメンタインのセリフを聞いて、なるほど、誰かに仕える「いかつい顔」のジョン・Cという絵はオモシロイなと。
   「シドニーが何故ジョンに声を掛け、息子のように尽くすのか?」という疑問をこちらが持ちはじめた頃、少しずつ内幕が明らかになっていきます。ただ単にPTAと(私の)相性のせいか、そのタイミングが絶妙だったことがファンとしては嬉しい。そして久し振りにPTA作品を観て、彼らしく狙った(そして狙いすぎは決してない)ショットの数々が、懐かしくも心地よく感じられました。
   この渋味のある作品を制作した時、PTAは弱冠25歳。フィリップの存在は大きかったハズ。グウィネス・パルトローも、『プルーフ・オブ・ライフ』の時には安っぽい格好が似合ってなかったけれど、身持ちの悪そうなウェイトレス役がハマっていたし。売れる前だったことが、影響しているのかもしれません。
   残念なのは、ストーリーの終焉に唐突さを感じたこと。ジョンがナイアガラの滝から戻ってくるのを待っても、遅くなかったんじゃないかな。
 

奇妙な絆
 
ハードエイト コレクターズ・エディション

ハードエイト コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテイメント
  • 発売日: 2003/10/22
  • メディア: DVD





◇監督:ポール・トーマス・アンダーソン 『Cigarettes & Coffee』、『There will be blood』
◇脚本:ポール・トーマス・アンダーソン 『ブギーナイツ』、『マグノリア』、『パンチドランク・ラブ』 
◇撮影:ロバート・エルスウィット 『バタリアン2』、『ハッピィブルー』、『シリアナ』
◇音楽:ジョン・ブライオン 『マグノリア』、『エターナル・サンシャイン』

◇出演:フィリップ・ベイカー・ホール 『ミッドナイト・ラン』、『セイ・エニシング』、『ゾディアック』
      ジョン・C・ライリー 『カジュアリティーズ』、『ギルバート・グレイプ』
     グウィネス・パルトロー 『冷たい月を抱く女』、『ハサミを持って突っ走る』
     サミュエル・L・ジャクソン 『グッドフェローズ』、『ジョニー・スエード』
     フィリップ・シーモア・ホフマン 『ゲッタウェイ』、『男が女を愛するとき』 


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フィリップが良いですね~
PTAはこの若さでこんな渋い映画作ってくるなんて、凄いのひと言です。個人的には唐突な終わり方嫌いじゃなかったですよ。
by (2008-01-15 00:03) 

クリス

トチオさん、nice!をありがとうございます。
この渋さはフィリップあっての渋さですよね。そしてPTAの才能!新作が楽しみです。
トチオさんは唐突な終わりじゃなかったんですね。私はもっと観ていたいという願望のあらわれだったのかも。
by クリス (2008-01-15 21:01) 

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