ぐるりのこと。(2008) Japan [film reviews]
イギリスから戻ってスグ観た作品です。予告からとても気になっていて、心はまだ異国にあったけれど観たい気持ちが勝ちました。そして。リリー・フランキーにプチ興味が湧きましたね。『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』は観てもいいかも。誰か貸してくれたら読みたいと思うし。ただこれって、どっちが先がイイのか。原作か。映画か・・・って、いつも悩みますよね。
小さな出版社の編集者・翔子は、学生時代からの付き合いになるカナオとの間に子供を授かる。超真面目な翔子に対して、だらしなかったカナオも法廷画家という職を得て、夫として、父としても自覚もみえてきた頃、子供を失うという悲運にみまわれる。悲しみのあまり精神を崩していく翔子を静かに支えるカナオは、法廷画家として事件の裏舞台もみていくことになる。
90年代の(2000年に入ってからもあったかな? )人々の記憶に今もなお残っている事件の法廷シーンを挿入していくことにより、翔子とカナオ夫婦の「10年」という年月がとてもしっくりきます。事件と夫婦の繋がりはないけれど、それは私たちも一緒で、私たちがこれらの事件に衝撃を受けながら日々暮らしてきた同じ時代に、この夫婦もいたんだなぁという隣人感です。
最近、会社の女友達Rちゃんと飲んだときに、「別れる理由をみつけるのは超簡単なのに、一緒に居続ける理由って特になかったり、わからなかったりするんだよね」といっていました。ちょっとオトコっぽい発想だけど、妙にうなずけた一言でした。この夫婦が別れようとすれば、それこそカナオの女癖の悪さ、稼ぎの悪さ、翔子の完璧主義、うつ症状etc. いっぱいある。
けれど、お互いが「いなくなったら困る」と感じている。その理由はきっと本人たちもハッキリしていないんじゃないかな。結婚が続くと、夫婦の感情も変わってきます。そこに本人の意思はなくとも、人って否応なく変わっていくものなんですよね。ただ、どうしても一緒にいられない理由だってあります。ムリせず別れたっていい、ただ、カナオと翔子のような夫婦もイイなと。
◇監督:橋口亮輔 『渚のシンドバット』、『ハッシュ!』
◇原作:橋口亮輔
◇脚本:橋口亮輔
◇撮影:上野彰吾 『洗濯機は俺にまかせろ』、『バーバー吉野』
◇編集:橋口亮輔
◇音楽:Akeboshi
◇出演:木村多江 『いぬのえいが』、『バースデーウェディング』
リリー・フランキー 『歓喜の歌』、『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(原作)
倍賞美津子 『ラストソング』、『ゲド戦記』
寺島進 『Brother』、『ザ・マジックアワー』
八嶋智人 『笑いの大学』、『HERO』
寺田農 『日本以外全部沈没』、『俺は、君のためにこそ死ににいく』
柄本明 『キネマの天地』、『二代目はクリスチャン』
Rちゃんの言葉に思わずnice!を押しました。
ただこれってちょっと後ろ向きな言葉なんですよね。
離婚を経験した僕はそう思います。
結婚後、どういう夫婦であり続けるかは、夫、あるいは妻いずれかの
気持ちや考え方や行動だけでは、どうしようもないんですよね。
ぜったいに2人で考えなきゃいけない問題なんだと思う。
僕はこの映画を観てそう思いました。
「東京タワー…」原作→映画の順をオススメします。
原作を読んでいないと、よく分からないと思う。
by ken (2008-07-27 11:33)
そうですね、噛みしめてみると後ろ向きかも。ただフツーに感じることなんですが。
夫婦って不思議ですよね。2人で考えるのもしんどいけれど、時がたってふとした歩み寄りが感じられると微笑ましくもなります。
たとえ別れても、うちは憎み合うことはないなーって思います。
「東京タワー」持ってる人、探してみますね。
nice!をありがとうございました。
by クリス (2008-07-27 21:56)
コノ作品のことをゆる会でジックリ話したかったので
あえてコメントしませんでしたが
鎌倉に向かうとの事でザンネンです
次回(?)ジックリ話したいと思います(笑)
by 魚河岸おじさん (2008-08-19 16:47)
魚河岸おじさん、nice!をありがとうございます。
ほんと、残念です。
次回ぜひお話したいですね。Akeboshiの「Peruna」は、今もヘビーローテです!
by クリス (2008-08-20 21:52)