ブエノスアイレスの夜 (2001) Spain | Argentina <Vidas privadas> [film reviews]
ガエル君(ガエル・ガルシア・ベルナル)祭りです。
父親の状態が悪くマドリッドからブエノスアイレスに戻ったカルメンには、隠しておきたい過去がある。それが原因となりアルゼンチンにいられなくなり、異性と肌を触れ合うことさえ生理的に受けつけない。
どんな過去だろう?と惹きつけられる、ミステリアスなはじまりでした。最初の30分程は。
しかしその後、急速に興味が失せていきます。何故か。
まず、カルメンは1976年に(実際に)起きた軍事クーデターによって心身共に大きな傷を負ったようですが、そのことについての描写が薄く、今の彼女(特に冷淡さ)を形成する要因が迫ってこないこと。
セシリア・ロスやガエル君といった国際級の俳優をつかい、海外配給を目指す作品だったなら、このアルゼンチンのクーデターについての描写はもっとあって然るべきだったと思います。カルメンの独白だけじゃちょっと弱い。
もう一つは、上記理由も含まれているけれど、家族にさえ冷淡な彼女に同情心すら持てないこと。
そんなこともあって、ガエル君の「声」をつうじて惹かれあう二人もしっくりきませんでした。声フェチとしては、ガエル君はちょっとだみ声っぽくて、到底声だけじゃ惹かれない相手だったというのもあります。
ラストは、ちょっとビックリな展開をするんですけどね。
◇監督:フィト・パエス 『ブエノスアイレスの夜』
◇出演:セシリア・ロス 『カフカの恋』、『カマキリな女』
ガエル・ガルシア・ベルナル 『失われた肌』、『太陽のかけら』
ルイス・シエンブロウスキー 『ブエノスアイレスの夜』
ドロレス・フォンシ 『ブエノスアイレスの夜』
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