コーカサスの虜 (1996) <Kavkazskiy plennik > [film reviews]
チェチェン問題として扱われるチェチェン共和国。その国内に、カフカース山脈が通っています。
英語名コーカサスとも呼ばれるこの辺り、人種的にもさまざまなところの人たちが入り混じっていて、一口には説明不可っぽいです。また、驚いたのは、彼らはイスラム教を信仰していること。「アレキュムセラム」というのは、イスラム式「こんにちは」だし、"アリ"という名前はイスラム教圏にとても多い。 チェチェン人に捕らわれたロシア人兵士2人、ワーニャとサーシャ准尉。ロシア軍に捕まった息子を戻したいアブドゥルによって、2人は交渉材料として使われる。
トルストイの原作を、チェチェンとロシア を舞台にして作った作品です。原作は未読ながら、やっぱりトルストイ・・・といったらよいのか、暗いです。暗い。もちろん、チェチェンとロシアの問題の根の深さを考えれば、暗いの一言に片すわけにはいかないけれど。
かといって、彼らの深い溝を改めて語るような手法はとっていません。ただただ、このロシア人捕虜とチェチェン人捕虜の交換がスムーズにいかないことが、すべてを物語っています。捕まっている本人たちはのん気なところもありますが、次の瞬間に身の危険を感じるシーンも幾つか挿入されていました。実際に捕虜になった人はおなじような経験をしているんじゃないかと。
最終的には、両捕虜の父母が主役になってきます。口数は少ないものの、子を思う気持ちは万国共通です。不謹慎ながら、美しいとさえ感じてしまいました。その心があるからこそ、敵対する人種を超えた情さえも持てる。決してハッピーなストーリーじゃなかったけれど、観てよかったと感じました。
英語名コーカサスとも呼ばれるこの辺り、人種的にもさまざまなところの人たちが入り混じっていて、一口には説明不可っぽいです。また、驚いたのは、彼らはイスラム教を信仰していること。「アレキュムセラム」というのは、イスラム式「こんにちは」だし、"アリ"という名前はイスラム教圏にとても多い。 チェチェン人に捕らわれたロシア人兵士2人、ワーニャとサーシャ准尉。ロシア軍に捕まった息子を戻したいアブドゥルによって、2人は交渉材料として使われる。
トルストイの原作を、チェチェンとロシア を舞台にして作った作品です。原作は未読ながら、やっぱりトルストイ・・・といったらよいのか、暗いです。暗い。もちろん、チェチェンとロシアの問題の根の深さを考えれば、暗いの一言に片すわけにはいかないけれど。
かといって、彼らの深い溝を改めて語るような手法はとっていません。ただただ、このロシア人捕虜とチェチェン人捕虜の交換がスムーズにいかないことが、すべてを物語っています。捕まっている本人たちはのん気なところもありますが、次の瞬間に身の危険を感じるシーンも幾つか挿入されていました。実際に捕虜になった人はおなじような経験をしているんじゃないかと。
最終的には、両捕虜の父母が主役になってきます。口数は少ないものの、子を思う気持ちは万国共通です。不謹慎ながら、美しいとさえ感じてしまいました。その心があるからこそ、敵対する人種を超えた情さえも持てる。決してハッピーなストーリーじゃなかったけれど、観てよかったと感じました。
◇監督:セルゲイ・ボドロフ 『モスクワ・天使のいない夜』、『モンゴル』
◇出演:オレグ・メンシコフ 『シベリアの理髪師』、『イースト/ウェスト 遙かなる祖国』
セルゲイ・ボドロフ・Jr 『ロシアン・ブラザー』、『イースト/ウェスト 遙かなる祖国』
スサンナ・マフラリエヴァ 『コーカサスの虜』
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