プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角 (1986) USA <Pretty in Pink> [film reviews]
ジョン・ヒューズ脚本の第4段。今作のジョンは脚本と製作総指揮に落ち着いていて、監督は『恋しくて』のハワード・ドゥイッチ。となると、嫌がおうにも期待が高まりますが・・・。結局、『恋しくて』は超えられないながらも、1つの恋愛ものとしては全然ありでした。3枚目なダッキーがもつピュアなところや、大舞台において気の利いたところをみせるのも、心が温まります。
3年前に母が蒸発し、無職の父とつつましく暮らすアンディ。同じ高校に通うブレーンが気になるが、御曹司な彼の家とその仲間や自身の貧しさを比べると、積極的になれない。しかしある日、アンディはブレーンからデートを申し込まれて一気に舞い上がってしまう。一方、アンディに片想いする親友のダッキーは、2人がデートすることを知ってアンディとの絶交を宣言する。
ずっと、今作のポスターは印象に残っていました。ピンクの挿し色がとてもインパクトがあって。だからもっとツッパリなはなしかと思ったら、主役2人も含めてピュアなんですよね。変に大人びた嫌な奴は、ジェームズ・スペイダーだけ。そう、彼も若い頃はこういう作品にも出ていたんだなぁって。顔が妙に完成されてすぎていて、それが高校生っていうのもちょっと変なんだけど。
「好きな色は?」と聴かれて「ピンク」とこたえる女性は、自分がないんじゃないかと思っていました。けれど、今作のアンディは「自分を信じてくれる人を、わたしは信じる」とキッパリ言える女のコ。ブレーン家との所得格差を気にしながらも、自分を信じて、頑張り、奨学金も獲得します。蒸発した母や無職の父のことは気がかりだけれど、自分がしっかりしなくてはと奮闘します。
とても好感が持てました。そして、彼女に「自分を信じる」ことのたいせつさに、改めて気づかされた思いです。うまくいかないときに、他人のせいにするほど女々しいこってない。だから彼女は最後に、どんな状況にあってもプロムに行くと決めたんですね。ドレスだって、自分らしさが出せるものを自作して。そんな彼女の強さが、ブレーンとの恋をうまく進めてくれる気がしました。
自分じゃピンクの服は着れないけれど、ピンクのワイシャツを着た男子は好き
◇監督:ハワード・ドゥイッチ 『大混乱』、『おかしな二人2』
◇出演:モリー・リングウォルド 『この愛に生きて』、『ハネムーンはモンテカルロで』
アンドリュー・マッカーシー 『セント・エルモス・ファイアー』、『キル・ミー・テンダー』
ジョン・クライヤー 『恋人ゲーム』、『ホット・ショット』
ハリー・ディーン・スタントン 『お気に召すまま』、『プレッジ』
ジェームズ・スペイダー 『放課後』、『ぼくの美しい人だから』
OMDのイフユーリーブと
リブレットダイの2曲は
この頃の目覚ましソングでした。
(今でもたまに聞きます)
>結局、『恋しくて』は超えられないながらも、
いや~他の青春ドラマであれを超えるラストは
ぱっと思いつきません。
by aneurysm (2010-08-12 19:10)
わたしも、他映画で聴いた懐かしい曲を、いくつか耳にしました。
う~ん、ほんと『恋しくて』はよかったなと、これだけジョン・ヒューズ作を観ると、
思わずにはいられませんね。
たしかに、あれを超えるラストを持つ青春映画ってないかも。
あるような気もしながら、結局思い出せませんね。
nice!をありがとうございました。
by クリス (2010-08-13 07:05)