SSブログ

続・出産のこと。 [diary]

   たしかに、自然な形の分娩が望ましいと思いました。赤ちゃんが出たいと思ったタイミングで、出してあげたいとも。しかし、出産が遅れることによって赤ちゃんの心拍が下がってしまったり、巨大すぎて結局は自然分娩ができないということも考えられました。また、妊娠中にずっとアタマの片隅にあったのは、「元気な赤ちゃんが産めなかったらどうしよう」という不安でした。

   結局、三日目の誘発剤が効かなければ帝王切開してくださいとお願いしました。なんとかうまくいきますようにーと祈るような気持ちで、いつもより早めにはじめた誘発でしたが、お腹の痛みと張りは強まれど、16時にお医者さんの診察があった際にも状況はあまりかわっておらず、結局、帝王切開が決定。16時30分には手術室へ入室するようにとバタバタと準備が進められました。

   入室迄の30分間、痲酔技師から麻酔の説明と署名を依頼され、心電図をとる人、止血状況をチェックする人、胸部のレントゲンをとる人が代わる代わる分娩室に入っては出ていき、その間、助産師さんたちが小走りに手術の準備をしていました。一度は決めた帝王切開、覆したくなる気持ちも少し残っていましたが、そんな隙を与えないかのような、あっという間の30分間でした。

   いたって健康だった為、手術も入院もはじめてでした。分娩室を出てベットに寝かされ、歩いていけたんだけどと思いつつ(笑) そのまま手術室へ運ばれました。ベットの上から流れゆく天井を眺めながら、この一連のできごとが他人ごとのような気がしてなりませんでした。三日間つき添ってくれた婿とも別れ、金属的な手術室に入ってようやく、怖さのようなものを感じました。

   手術には、思いのほか多くの人がかかわっていました。各自、自己紹介をされた気がしますが、気もそぞろだったせいか産婦人科の医師(執刀医)と麻酔師しかよく覚えていません。麻酔師をなぜ覚えているかというと、下半身麻酔がすぐには効かず、わたしの反応をみてイラッときていたからです(笑) 今になって思うと、わたしの身体は化学的なものへの反応がとても鈍いみたい。

   意識ははっきりしているので、手術の進捗はつぶさに感じられました。お腹をきったときには、焦げ臭い匂いがしました。そして、お腹の上のほうを数回押された後、たぶんあっけないほどにスルスルっと赤ちゃんが出てきたんだと思います。鳴き声がすぐに聞こえてきて、その場にいた方々に代わる代わる顔を覗かれて、「おめでとうございます!」と声を掛けていただきました。

   Happy Birthdayの音楽も流れてきました。キレイにした赤ちゃんは数分後にわたしの顔もとへ。くちゃくちゃした生まれたての新生児をイメージしていましたが、思いがけず出てきた私の第一声は「かわいい〜」でした。心から自然にそう思いました。その後、抱くわけにはいかないため、わたしの手のあたりになかば強引にほっぺをきゅっきゅとされてから、縫合手術へ。

   実は、ここからさきがけっこう辛いことが続きました。まず、羊水も含めてですが600ccの出血があった為、もとより貧血のわたしは気が遠くなっていき、息苦しくなり、はんぱない寒気がやってきました。「お具合どうですか?」と聴かれ「よくないです」と言ったものの輸血をしてくれる訳もなく、とにかく耐えました。早く終わってーと心の中では叫んでいました。

   (もうちょっと続きます)


nice!(4)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 4

コメント 2

coco030705

こんばんは。
やっぱり帝王切開は聞きしに勝る大変さですね。
クリスさんよくがんばられましたね。偉い!!
でも今まで手術も入院もなさったことがなかったんでしたら、
どんなにか不安だったろうと想像します。
ほんとうにお疲れ様でした。ゆっくりなさってくださいませ。
by coco030705 (2013-01-12 22:09) 

クリス

わたしは、前知識が乏しすぎて、帝王切開がこんなに痛みを伴うものとは思ってもみませんでした…。が、一度してしまえば、後は乗り越えるしかなく、波に乗っただけって感じもします f^^; けれど、今は余裕をもって振り返れますが、術後すぐはアップアップだったかもしれませんね。niceをありがとうございました。
by クリス (2013-01-15 19:50) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

出産のこと。続・続・出産のこと。 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。