ザ・マスター (2012) USA <The Master> [film reviews]
メンタルテストが不合格となり、除隊となった元海兵隊員のフレディ。アルコール依存によるトラブルを繰り返し、仕事も住まいも転々としていた。ある日、酒に酔ったフレディは港に停泊中の船に忍び込む。マスターと呼ばれるランカスターと出会ったフレディは、彼が率いる信仰団体ザ・コースの一員として歓迎される。フレディも自分を導いてくれる可能性をランカスターに感じるが…。
『ブギーナイツ』や『マグノリア』が強烈に好きなポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作。実家がバタバタしていた3月公開だったため観逃がしてしまい、夏になって早稲田松竹にて『リンカーン』と二本立てで観ました。『ハードエイト』のような、特筆すべきことも起らないままに綴られる人生の描かれ方が好きながら、今作からは、監督の完成度の高さを感じざるを得ません。
なぜなら、いびつなマスター像(とある新興団体のリーダー)と迷信のようなゆがんだ信仰をえぐり出す一方、肯定も否定もせずに描ききってしまう力量をみたからです。訴えかけるものを強烈に感じさせながらも、どこか煙に巻いているようにもみえる。勧善懲悪ならば振りきった演出もできるけれど、決して自らがジャッジはしないというのは、バランス感覚のいい監督にしか撮れません。
今作は、役者にも恵まれていました。マスターを演じたフィリップ・シーモア・ホフマン。マスター然としながらも、自らもまたマスターを欲しているという矛盾を抱えた人物を、ほのかな弱さを感じさせながら好演。マスターに心酔するフレディは、顔の筋肉を駆使したホアキン・フェニックスが、印象に残る悩ましい表情をもって演じきっていました。なかなかに重みのある作品です。
こんにちは。
今年はいつまでも台風などの影響で暑かったりして、ようやく秋という季節が感じられる日々となりましたね。
ところでこの作品は未見ですが、クリスさんのレビューを読むととても観たくなりました。観客に考えさせる映画っていいですね。配役もよさそう。いつか観てみます。
by coco030705 (2013-11-06 20:58)
こんばんは。
ことしの天候不順も、おかしなものを感じました。日照りが続いたかと思うと大雨が降って洪水になったり、台風が終わるはずの季節にきてみたり。
今作は、心理的に重くはなっていますが、観客に委ねられている部分が多くて説教臭くないのがいいです。ぜひご覧ください〜
by クリス (2013-11-08 00:48)
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by 메이저사이트 (2024-01-03 17:38)