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レイルウェイ 運命の旅路 (2013) Australia | UK <The Railway Man> [film reviews]

   鉄道好きのイギリス人エリックは、第二次世界大戦中に日本軍の捕虜となり、タイとビルマを繋ぐ鉄道建設を強要され残忍な扱いを受けた過去を持っていた。愛する妻パティと出会い幸せを感じるが、戦中の苦しみの記憶を消すことができない。ある日、大戦中に非道な扱いを受けた日本人永瀬が今もタイにいることを知る。癒えない心の傷から立ち直るべく、永瀬に会いに50年ぶりにタイへ向かう。

   ながきに渡り、いいキャリアを築いていると感じるコリン・ファース。『シングルマン』から近年にかけては、更に脂が乗っている印象を受けます。コリン演じるエリックを献身的に支える妻パティに、ニコール・キッドマン。いくつになっても、美しいです。そして、日本人永瀬役には真田広之です。コリンに比べると小柄だけれど、毅然とした立ち居振る舞いがとても印象的、かつ適役でした。

   今作は、拷問シーンがいささか強調されすぎていたように感じて、鑑賞がしんどかったです。実際の言い尽くせぬ辛さを考えれば、たいしたことはないのかもしれませんが、ここぞとばかりの効果音や畳み掛けるようにみせるアップの撮り方、繋ぎ方には少々辟易しました。しかしそれは、日本人として過去に犯した日本人の過ちを直視することが辛かったという心情も、無視することはできません。

   そうです。今作は、日本人が知っておくべき歴史の一片に触れています。実在したイギリス兵が、心の闇を打ち破るために憎んでも憎みきれない相手を許し、彼の謝罪を受け入れるという勇気ある行為には胸がうごかされます。また、その後に彼らが育んだ美しい友情についても。戦争は、ないに超したことはないと固く信じてはいますが、彼らを強く結びつけたのも戦争だったことは皮肉です。

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◇監督:ジョナサン・テプリスキー 『レイルウェイ 運命の旅路』

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