SSブログ

ザ・ダブル/分身 (2013) UK <The Double> [film reviews]

   不器用で気が小さい青年サイモンは、職場においても存在感が全くない。遊びにいく友達もおらず、家にこもって向かいのアパートに暮らす同僚ハナを望遠鏡でのぞくことが、唯一の楽しみという寂しい暮らしを送っていた。ある日、サイモンの職場に彼と瓜二つのジェームズが入社してくる。自分の分身のような彼の存在に戸惑うが、彼はサイモンよりはるかに優秀でずる賢い奴だった。

   主演は、早口が得意な『ソーシャル・ネットワーク』のジェシー・アイゼンバーグ。彼が憧れる職場の同僚には、『イノセント・ガーデン』で新境地をみせたミア・ワシコウスカ。そして監督は、イギリスのTVコメディ『ハイっ、こちらIT課!』で「限りなく社会不適合者」と思われる「ITオタク」の「おとぼけ」モスを演じていたリチャード・アイオアディ。まさか監督してたなんて。

   昨年の東京国際映画祭にて鑑賞。観てしばらくは不明瞭すぎて失敗かと思ったけれど、実は怪作でした。ヒューマントラストシネマ渋谷でおこなっている「未体験ゾーン映画」のラインナップに、いいなと思いました。ドフトエフスキー原作の「分身」を近未来に置きかえたーと映画祭サイトにはありましたが、未来のような現代にもみえたし、過去だと言われても腑に落ちるデザインワークです。

   イマジネーションの世界と現実がごっちゃになって、精神に支障をきたしていくあたり、リンチっぽいなと感じました。フェリーニの『悪魔の首飾り』、ゴダールの『アルファヴィル』などにも影響されたと、映画祭サイトにはあります。それでも、時折挟まれるゆるい笑いや間のとり方、煙に巻くようで筋が通ったストーリーに、監督の個性を感じます。モス、大好きだったなぁ。今後の作品も期待☆

the-double-a-film-about-a-man-whose-life-is-taken-over-by-a-doppelganger-640x360.jpg


◇監督:リチャード・アイオアディ 『サブマリン』

nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。