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さゆり (2005) USA <SAYURI> [film reviews]

みなさんより少し遅ればせながら、「SAYURI」を観てきました。イギリスじゃ今週上映がはじまったばかり。土曜日の夕方に、いつものグラスゴーの映画館に行ったら、チケットの行列が映画館から溢れていて、ちょっとビックリ。でも、みんな「皇帝ペンギン」とか「The Producers」を観にきてたらしく(Fullのサインがついてた)、「「SAYURI」なんてヨーロピアンは関心ないやろし、大丈夫やね~」なんていってたら、場内満席。意外な展開にちょっと戸惑いつつも、こうやって日本の映画(ってアメリカ資本ですが)をガイジンが観てみたいと思ってくれることは、けっこう嬉しいですね。

あらすじは、もうご覧になった方も多いと思うし省略します。要は、貧しい田舎育ちのさゆりが、芸者屋へ売られ、身寄りもなくイジメにあい、そこから芸者として生きる覚悟を決め、育っていくという感じです。

 

この映画を観て、簡潔な感想としては、やっぱりこういう複雑な日本文化を表現した映画は、アメリカや他の国じゃなくて、日本が作らなきゃはじまらないなーと。スピルバーグ監督が数年前にこの映画の版権を獲得した時は、日本の映画産業は下降気味だったし(というか下りきってたというか)、そこから這い上がろうとしてた時代だったハズ。でも、今の盛り上がってる日本の映画界だったら、なんとかなったかもしれないと思わせる所が、少々悔しい気がします。

 

純日本製の「SAYURI」を作ろうとなると、キャスティングの問題が少しあるかと。チャン・ツィーはなにか、秘めたるパワーを持っていて、しかも可憐な所が同性からみててもいいなぁって思えます。日本の女優さんに、彼女に対抗することが可能な人がいるかな・・・?結局、主要な女優陣は中国勢に持っていかれてしまって、それこそ日本の女優陣の、世界を舞台にした時の力のなさがハッキリしたような気がする。桃井かおりは、桃井かおりらしさが感じられて良かったけれど、工藤夕貴はぶっちゃけ英語が堪能やからってキャスティングされたような気がして。彼女はそれなりにいい女優さんやけれど、役がどうにもミスマッチ。もしこの映画化企画が数年前にスタートしてたとしたら、彼女が主演だった可能性はあったかもしれないけれど(丁度、「ヒマラヤ杉~」の後くらいだったら)。それにあのパンプキンってあだ名にはどう反応していいやら困ってしまった(苦笑)

 

対して男性陣ですが、やっぱり役所広司はいいなーと思った訳です。なにを隠そう、私は彼が28歳くらいの頃に、NHK大河、「徳川家康」の織田信長役をやった頃からのファン♪彼が役所なんて変な芸名なのは、無名塾に入る前に役所勤めをしてたからですよー。知ってましたか?(笑)彼はいいです◎でも、英語を無理矢理?喋らなければいけなかったのは、ちょっと可哀想に思いました。彼本来の良さが発揮しきれてなかった!そんな中、やはり存在感があった所に(ある意味、渡辺謙以上に)改めて感心しました。対して渡辺謙ですが、やはりハリウッド俳優として先輩なだけに、余裕がどこそこから感じられましたが、どうも微妙にインパクトの弱い役だった気がします。「ラストサムライ」じゃトムを食ってただけに、良さが発揮しきれず残念。女性陣に食われてしまったかな。

 

それにしても。オープニングは日本語なのに、身売り後は急に英語になったり、時々日本語が混ざったりと、違和感はなかったですか?私は多少感じましたね。後、細くなった、いかにも稽古してないぞって感じの舞の海が登場した時はクスクスと笑ってしまいました。そんな私を不思議にみてたガイジン(笑)隣の子供は、「We should go home now」ってひつこくママにいってましたから。子供にみせて楽しむ映画じゃないですよね。

いちばん良かったのは、映像がとても華やかだったこと。色がとても映えるカメラワークだったこと。そして、その華やかさに負けないくらいチャン・ツィーが良かったことですかね。

SAYURI

 

SAYURI

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2006/07/05
  • メディア: DVD

 

そのチャン・ツィーといえばはずせないのがコレ↓

初恋のきた道 [SUPERBIT(TM)]

 

初恋のきた道 [SUPERBIT(TM)]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2004/12/22
  • メディア: DVD

とにかく、野や山を駆け回る彼女のけなげな姿が涙を誘います。チャン・ツィー入門編としては完璧。

グリーン・デスティニー コレクターズ・エディション

 

 

グリーン・デスティニー コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2005/12/16
  • メディア: DVD

 これがけっこう好きだっていうイギリス人多し。チョウ・ユンファはやっぱり格好イイ~♪


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