親密すぎるうちあけ話 (2004) France ＜Confidences trop intimes＞ [film reviews]
うちの彼がいない間に、いつもは借りられない英語圏以外の作品を観ようと、目に飛び込んだのがコレ。ルコント監督は、『ハーフ・ア・チャンス』や『フェリックスとローラ』のような、う～ん・・・という作品もある中、ほぼ一定の安定感を持っている上、時に『仕立て屋の恋』、『髪結いの亭主』や『橋の上の娘』のように、突き抜けた秀作を観せるという喜びを与えてくれる。いつか監督の作品は網羅しなきゃいけないなと感じています。2006年製作の『Mon meilleur ami 』は、オートゥイユと再びタッグを組んだ模様。はやく観たいなぁ。
舞台はパリ。昔からあるとあるビルの一室にオフィスを持つ税理士のウィリアムは、妻とも別れ孤独な暮らしを送っていた。ある日、美しいアンヌがやってきて、おもむろに夫との性生活の悩みを告白されたウィリアム。彼女はモニエ医師の診療室と思い込み入ってきていた。ミスに気がついたウィリアムだったけれど、彼女の魅力に惹かれていきカウンセリングを重ねてしまう－－－
お互いが指1本触れ合わない関係の中、これ程の"官能"を醸すのはルコントのオハコ。しかもシチュエーションとしては、完璧なコメディとして成り立っているところが可笑しい。ウィリアムの父が想いを寄せていたという秘書の立ち居振舞も、コメディには欠かせない存在としてその役割を果たしている。にも関わらず、アンヌの告白はサスペンス色を帯びていて、犯罪の影を感じるほどの深読みだってしたくなるくらいだ。官能＋コメディ＋サスペンスという、このミックス具合はやはりベテラン監督の領域としかいえない。
アンナ役は『仕立て屋の恋』のサンドリーヌ・ボネール。←この配役のせいか、アンナがとても危うく、不安定な気性を持っているようにみせていて、最後の最後にウィリアムに悲哀な仕打ちをしやしないかと、冷や冷やさせる。彼女の『イースト/ウエスト 遥かなる祖国』は、観ていない人には必ずいつか観て頂きたい1本。今作も、ルコントファンなら繊細なカメラワークや小物、役者の変化が楽しめるけれど、もう一歩踏み込んだインパクトが欲しかったかな。
- 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
- 発売日: 2004/09/15
- メディア: DVD
◇監督:パトリス・ルコント ＜Patrice Leconte＞ ◇脚本:ジェローム・トネール ＜Jerome Tonnerre＞ ◇撮影:エデュアルド・セラ ＜Eduardo Serra＞ ◇美術:イヴァン・モシオン ＜Ivan Maussion＞ ◇編集:ジョエル・アッシュ ＜Joelle Hache＞ ◇音楽:パスカル・エステーヴ ＜Pascal Esteve＞ ◇出演:サンドリーヌ・ボネール ＜Sandrine Bonnaire＞ ファブリス・ルキーニ ＜Fabrice Luchini＞ ミシェル・デュショーソワ ＜Michel Duchaussoy＞ アンヌ・ブロシェ ＜Anne Brochet＞ ジルベール・メルキ ＜Gilbert Melki＞
いい映画でしたね。
そうですね、コメディとしての要素もあったんですね。
ハリウッドのコメディとは違う感じです。
この映画を見て、サンドリーヌ・ボネールが好きになりました。
『イースト/ウエスト 遥かなる祖国』をいずれ見てみたいです。
TBさせていただきます。
by coco030705 (2007-10-02 15:05)
タイトルとアートワークがうまいなと感心した作品です。
ところでこの設定、言われてみればコントですね。
ルコントじゃなくて、コント。
書いてて自分でウケました（笑）。
by ken (2007-10-02 16:25)
cocoさん、nice!をありがとうございます♪
実は絶対笑いを狙ってるなぁと思ったんですよね。ストーリーはどんどん謎が深まっていくのに！『イースト/ウエスト 遥かなる祖国』はいつか観てください。けっこう良いですよ。
kenさん、nice!をありがとうございます♪
（ル）コント、気がつきませんでした（笑）アートワークは私も心に留まりました～。早速、フランスの雑貨を検索してしまいましたもん。
by クリス (2007-10-02 22:43)