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ミーン・ストリート (1973) US <Mean Streets> [film reviews]

スコセッシ監督が、『タクシードライバー』の3年前に撮った作品デス(と書いてみて不安に感じてimdbチェック(笑))『ミッション』のレビューを書いたときに、余りにもありきたりと思われる「デ・ニーロの存在感」について、ほんの少し触れました。しかし今作の彼は、明らかに気配を消し去っていて"別人"。ドラッグを遊び道具として扱う、ブリティッシュ・ロックスターぶった、最低なヤツ にしかみえません。年をとって丸くなった感があるデ・ニーロの、冴えた演技がもう一度観たいなと(アル・パチーノにもいえる)心から思います。

ニューヨークのイタリアン街。30歳になろうとしてようやくレストラン一軒を任されそうなチャーリー(ハーヴェイ・カイテル)。対称的に、彼の悪友かつだらしなくて嫌われ者のジョニー(デ・ニーロ)。チャーリーはしっかりした暮らしをしたいと日々葛藤する中、無軌道なジョニーに苛立ちが隠せないが、昔のよしみもあってなかなか訣別する決心がつかない。そんなある日、ジョニーと別の仲間との揉めごとが次第に大きくなっていき---

チャーリー役の若かりし頃のハーヴェイ・カイテルが、余りにもキレイな顔をしていて驚く。『ディアハンター』や『アニー・ホール』のクリストファー・ウォーケンのキレイな顔にもビックリしたけれど、ハーヴェイも負けず劣らず美しい。そして内的に秘める日々の悩みを、繊細に表現していた。今作の彼の評価は、フツーに考えれば高いものになるハズ・・・だった。"別人"になりきったデ・ニーロさえいなければ。彼のジョニー像には、もちろんデ・ニーロ的、初期時代のアプローチがあったはず。けれど、そんな小細工や演技っぽさは微塵もなく、余りにも確立されたジョニーというキャラクターを作り上げていてがく然とした。『タクシードライバー』のトラヴィスよりも生々しかったかもしれない。

ストーリーはというと、スコセッシらしい重厚感があるものの、多少退屈感を感じるストーリー展開かも。しかし、ただじゃ終わらないのがスコセッシというか、ラストにはけっこうな衝撃を受ける。そこから掴むこの映画の存在価値は、大きいかもしれない。

ミーン・ストリート

ミーン・ストリート

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2007/06/08
  • メディア: DVD

◇監督:マーティン・スコセッシ <Martin Scorsese> ◇脚本:マーティン・スコセッシ <Martin Scorsese> マーディク・マーティン <Mardik Martin> ケント・ウェイクフォード <Kent Wakeford> ◇出演:ハーヴェイ・カイテル <Harvey Keitel> ロバート・デ・ニーロ <Robert De Niro> エイミー・ロビンソン <Amy Robinson> デヴィッド・プローヴァル <David Proval> マリリン・ハセット <Marilyn Hassett> デヴィッド・キャラダイン <David Carradine> ロバート・キャラダイン <Robert Carradine> ヴィクター・アルゴ <Victor Argo>


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ken

>若かりし頃のハーヴェイ・カイテルが、余りにもキレイな顔をしていて驚く

ただこのコメントだけで観てみたくなりました。
どんだけー!w
by ken (2007-12-29 02:36) 

クリス

kenさん、
nice!をありがとうございました。
特に『ピアノレッスン』のようなハーヴェイは想像つかない顔してますよ。
by クリス (2007-12-30 11:10) 

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