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ダーティハリー2 (1973) US <Magnum Force> [film reviews]

ダーティハリー』があまりにも面白くて、結局続編も借りてきてしまいました。とはいえ、秀作の続編のムズカシさは理解しているつもり。決して、快(怪)作だった一作目を超えるものは求めないと心に誓いました。結果オーライというか、確立されたイーストウッド=ハリー・キャラハンのキャラさえ映える展開なら、どんな味付けをしてもらっても良いかなと。今作は、法・政界の腐敗を訴える社会派なスタイルをとりつつも、イマイチ説得力がなかったような・・・・・・。

法の裁きをかいくぐる犯罪者達が、次々と殺される事件が起こる。殺人課を干されていたハリーは、上司の命を受けて殺人課に舞い戻り捜査にあたるが、なかなか犯人の全容が掴めない。精神を病んだ警察仲間さえ疑うが、決定的な証拠がない。そんなある日、毎年優勝していた射撃大会に強敵が現れたハリーは、ある手がかりを掴むが---

一作目に比べて、よくいえばポピュラーな、悪くいえばフツーのアクション映画になっている。一作目の、陰鬱且つ歪んだ雰囲気が好みなら、今作の善悪決着つきにくい犯人&痛快なアクションというコンビネーションは、なんとなくものたりなくもある。一作目と今作の犯人を比べてみると、一作目のサソリに関しては、完璧に気が狂っており、現代にも通じる「犯罪を娯楽の一種」ととらえていた恐ろしさがあった。いくら骨太のハリーとはいえ、彼との対決には緊張感を持たずにはいられないくらいに。

しかし今作の犯人は、建前上もっともらしいことをいって正義ぶってはいるが、実際は、常軌を逸しているようにみえる刑事ハリーのほうが、数倍まともだということが誰の目にも明白。その辺りが、ハリーがこの犯人に負けるはずはないという安心感をもたらせてしまい、ヒーローが必ず勝つアクション映画というジャンルにとどまっている。それをよしとするかは、観る者が今作に求めるものがなにか?という点によって判断される。
とはいえ、続編にしてはけっこう面白かった作品として覚えておきたい。

ダーティハリー2

ダーティハリー2

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2007/04/06
  • メディア: DVD

 

◇監督:テッド・ポスト <Ted Post> ◇原案:ジョン・ミリアス <John Milius> ◇脚本:ジョン・ミリアス <John Milius> マイケル・ミチノ <Michael Cimino> ◇撮影:フランク・スタンリー <Frank Stanley> ◇音楽:ラロ・シフリン <Lalo Schifrin> ◇出演:クリント・イーストウッド <Clint Eastwood> ハル・ホルブルック <Hal Holbrook> フェルトン・ペリー <Felton Perry> ミッチェル・ライアン <Mitchell Ryan> デヴィッド・ソウル <David Soul>


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コメント 2

サンフランシスコ人

「悪くいえばフツーのアクション映画になっている。」

一作目がアメリカで公開した時に、苦情やクレームが出ている。
by サンフランシスコ人 (2008-02-01 10:24) 

クリス

一作目のオカルトな感じが苦情の対象だったんでしょうか?
あの感じは一作目にしかなく、やはり突出している気がします。
by クリス (2008-02-03 18:32) 

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