ラスベガスをぶっつぶせ(2008)US <21> [film reviews]
ケビン・スペイシーの作品を久しぶりに観ました。彼は『アメリカン・ビューティー』の受賞スピーチの際に、「きょうはとても素晴らしい。今後、坂道を転げるようにキャリアが転落しなければいいが・・・」というようなことをいって、オーディエンスの笑いをとっていました。実際、坂道を転げる程とはいいませんが、一時に勢いは失ってしまいましたね。もちろん本人は、舞台や映画のプロデューサー的立場のシゴトを多く抱えていて、キャリアダウンとはちっとも考えていないと思うけれど・・・。
マサチューセッチュ工科大の学生ベンは、オールAの成績をキープする秀才。ハーバード・メディカルスクールへの入学許可が下りたものの、余りにも巨額な学費が払えそうもない。ある日、ベンの才能に魅了されたミッキー・ローザ教授が、カードを数えてブラックジャックに必勝するチームに彼を誘う。憧れのジルも参加するこのチームに、学費作りのためと参加するが---
ケビスペの新作を久しぶりに観ました。彼がいなかったら観ることもなかった今作、終焉を迎えた・・・と感じた頃にやってくる、レベルアップした再ツイスト!同じ日に『幻影師アイゼンハイム』を観ましたが、両作ともに観終わった後の清涼感がイイです。
MITの学生がベガスに行って荒儲けするというストーリーに騙されたけれど、主人公ベンになったジム・スタージェスって実はイギリス人。野暮ったい秀才がゴージャスな世界に踏みいれて、少しはスタイリッシュになるのかと思ったらそんなことはなく、彼はいたって最初の彼のまま。誰かに似てるなぁってずっと気になっていたけれど、途中、「あ、巨人の高橋由伸や」と気がついてからは、高橋にしかみえなくって困ったり。
このテのストーリー展開はどうしても読めてしまうけれど、今作の良さは主人公の好感度とテンポの良さ。ベガスにおける彼らの作戦の巧妙さは、一度観たくらいじゃついていけないけれど、その辺りは彼らの暗号とノリさえ掴めれば大丈夫。久しぶりにいやらしいケビスペがみられて、やっぱりこの方はひと癖ある役が似合うなと思いました。
そっくりじゃ
◇監督:ロバート・ルケティク 『キューティ・ブロンド』、『ウェディング宣言』
◇原作:ベン・メズリック 『発光体』、『ラスベガスをぶっつぶせ』
◇脚本:ピーター・スタインフェルド 『アナライズ・ユー』、『Be Cool/ビー・クール』
アラン・ローブ 『ラスベガスをぶっつぶせ』、『哀しみが乾くまで』
◇撮影:ラッセル・カーペンター 『タイタニック』、『交渉人』
◇編集:エリオット・グレアム 『X-MEN2』、『ラスベガスをぶっつぶせ』
◇出演:ジム・スタージェス 『12日の木曜日』、『アクロス・ザ・ユニバース』
ケイト・ボワース 『モンタナの風に抱かれて』、『タイタンズを忘れない』
ローレンス・フィッシュバーン 『ランブルフィッシュ』、『コットンクラブ』
ケビン・スペイシー 『セブン』、『私が愛したギャングスター』
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