ワールド・オブ・ライズ (2008) US ＜Body of Lies＞ [film reviews]
元旦は、お参りに代わりに劇場詣をしました。チビの頃は、実家のある町にも幾つかの映画館がありました。父に連れられて観た作品は数知れず、です。1つ、また1つと消えていく中、ただ一つ頑張っていた単館系映画館も、一昨年の秋、ビルの再開発計画とともに消えてしまいました。インディーズファンとしては、とても残念なことでした。
今あるのは3年前にオープンしたシネコンのみ。観られる作品も限られますが、正月1本目としてはまずまずだったと思います。
1995年の作品、『クイック＆デッド』が懐かしいディカプリオとラッセル・クロウの最新作。
『タイタニック』以来、意識的に恋愛モノを避けてきた（と思われる）ディカプリオ、今作の彼も『ブラッド・ダイヤモンド』の役柄を彷彿させる、汗臭いCIA工作員役です。以前のポッキー体型のころは、こういう役はいくらやりたくても無理だったのかもしれません。
死と隣り合わせの危険な任務に身を削るフェリス（ディカプリオ）、対してアメリカのCIA本部や自宅といったセーフゾーンから彼に指示を送る局員ホフマン（クロウ）。ある国際的テロ組織のリーダー捕獲のため、反りの合わない2人がタッグを組むが－－－
中東を扱った作品、『シリアナ』よりも解りやすく、エンターテイメントに徹した作品です。自身の手は汚さず、都合のよい指示ばかりを送るホフマンは、アメリカの政治権力者たちそのもの。なんの魅力もないこの役柄をラッセルが引き受けたのは、『グラディエーター』の縁としか思えません。
中東のテロリストたちの近辺に身を潜み、安らぐ暇もないフェリスの心情を表す言葉がありました。ほとんどのセリフの語尾に、「Allright?」と念押しをしているんです。苛立ちを隠そうともせずに。これは、ディカプリオの今作に対する役作りだったかと。観ているこちらをも若干苛立たせる「Allright?」、フェリスの姿を捉えやすい言葉でした。
"どちらの嘘が世界を救うか" と宣伝文句にあるように、「嘘」がキーワードとなるストーリー展開。とっておきのラストの「嘘」が、宣伝どおりといかなかったのが、若干気になりますが、退屈はさせない作品です。
◇監督:リドリー・スコット 『テルマ＆ルイーズ』、『マッチスティック・メン』
◇出演:レオナルド・ディカプリオ 『The 11th Hour』、『レボリューショナリー・ロード／燃え尽きるまで』
ラッセル・クロウ 『シンデレラマン 』、『３：１０ トゥー・ユマ（原題）』
マーク・ストロング 『トリスタンとイゾルデ』、『サンシャイン２０５７』
ブラッド・ダイヤモンドのディカプリオがとても良かったので、本作が気になっています。
気になっているあまり、色んな方のレビューを見てしまうんですが、ネタバレを何回か踏んでしまい、記憶が薄れる頃を見計らってDVDで観ようかと思ってます。。
ブラッド・ダイヤモンドでは語尾に「huh?」がよく付いてましたね。
by pandahead (2009-01-05 23:14)
pandahead さん、
どっちかっていうと、『ブラッド～』のほうが見ごたえはありましたね。
「huh？」ってよく使っていたかも。あの作品は、ジェニファーと彼の関係性の描き方が好きです。新鮮だった気がします。
nice!をありがとうございました。
by クリス (2009-01-06 21:30)
シリアナよりわかり易い、まあまあな娯楽作品でしたね。いやシリアナは、自分が頭悪いのかと思うほど、判らなかったのですが。
宣伝と違うのに見事騙されました。
by バラサ☆バラサ (2009-01-07 19:16)
こんばんは。
『クイック＆デッド』の頃はまだお子様だったL・ディカプリオもいい役者になりましたね。
本作は、監督の弟が撮った「スパイ・ゲーム」のリアル版という感じでした。
by hash (2009-01-09 01:04)
hashさん、
『スパイゲーム』は観ていないんですよね。あまり評判もよくなかったし。
ディカプリオは、同年代としてけっこう応援しています。いい役者だと思うし。
nice!をありがとうございました！
by クリス (2009-01-10 22:40)