砂の器 (1974) Japan [film reviews]
2009年は、去年よりもっと映画館に通おうと考えています。
映画クラブも、迷うことなく鑑賞作品を『007/慰めの報酬』に決めました。>近いうちにレビュー書きます。
不況な世の中に対していろいろと考えることもあり、例年よりもより深く、濃い映画三昧の日々を送ろうと思っています。
同僚のHさんに強くススめられて今作を借りたと思っていたら、Hさんから身に覚えがないっていわれ(苦笑) あれ? 誰のおススめだったかな、なんて考えながらオープニングを迎え・・・・・・あぁ、そうだったと思い出しました。
緒形拳さんがいたからだ。
松本清張の推理小説が原作。
小説は未読ながら、作者を知る方のインタビューによると、小説は数行しか割くことのなかった親子の絆(宿命)について、映画版は映画がもつ視覚的効果を最大限に生かし、親子が辿った数奇な運命を描いています。
オーディエンスのボルテージが最高潮に達する、著名な音楽家となった"子"が創った楽曲とオーケストラ演奏。
クラッシック音楽が否応なくボルテージを上げる、『時計仕掛けのオレンジ』や『地獄の黙示録』を思い出しました。
清張原作というのに、ヒューマンドラマに仕上がっているところも、意表と突いていたと思います。
日本人好みな壮大なメロドラマだし、泣かせの意図も感じなかった訳じゃないけれど、そこには確かな真実味が感じられた。
この真実味は、この作品制作に関わった人々によって、丁寧に丁寧に重ねられたものだという気がしてなりません。
正義感溢れる巡査役の緒形さんの若々しい姿も、暗くなりがちなドラマに活力を与える存在になっていました。
実は、大河ドラマ、『峠の群像』の大石内蔵助役が今も鮮明に残っています。下から撮られる内蔵助のアップ映像が、子供ながらに怖くて怖くて(笑)
これからもっと、彼の軌跡を辿っていきたいと思います。
◇監督:野村芳太郎 『伊豆の踊子』、『拝啓総理大臣様』
◇出演:丹波哲郎 『丹下左膳』、『たそがれ清兵衛』
加藤剛 『影の車』、『わが愛の譜 滝廉太郎物語』
森田健作 『夕陽が呼んだ男』、『愛ってなんだろう』
緒形拳 『影の軍団 服部半蔵』、『蝉しぐれ』
島田陽子 『吾輩は猫である』、『犬神家の一族』
劇場で観ましょう!それこそが本当の「映画への投資」であると思っています。
by tomoart (2009-02-09 05:26)
そうなんですよね。やっぱり大好きな映画を盛り上げるには、いちばんいいのは劇場鑑賞の機会を増やすこと。nice!をありがとうございます。
by クリス (2009-02-13 23:55)
オーケストラのシーンは見事だと思います
多くの人に見てもらいたい作品です
by 魚河岸おじさん (2009-02-18 16:17)
サンフランシスコで観ました。
by サンフランシスコ人 (2009-02-20 07:37)
魚河岸おじさん、
ご無沙汰しています。
オーケストラシーンに映される親子の果てしない旅が、胸を打ちますね。
nice!をありがとうございました。
サンフランシスコ人さん、
海外で日本の映画を観ると、思いも深まりますよね。
by クリス (2009-03-01 11:52)