チェ 39歳 別れの手紙 (2008) Spain | France | USA <Che: Part Two> [film reviews]
舞台は、1959年のキューバ革命から6年後へ。キューバ革命後の6年間については、空白のままです。なぜ、どういう理由からゲバラがキューバを後にし、ボリビア革命を目指したのか? そこに多くの憶測や想定がついて廻ることは避けられず、あえてソダーバーグが映像化を避けた心持ちが理解できます。けれど、ゲバラは真から革命家だった・・・というこたえなら納得
けれど、キューバを後にすることもまた、彼にとって断腸の思いだったことは、変装した彼とその家族との時間がよくよく語っていたと思います。控え目なカメラワークもまた、ソダーバーグらしく、家族のプライベートをこっそりと覗きみるといった感がありました。
その後ボリビアに入国し、あのゲリラ戦再びです。今回も地理に関しては疎かったけれど、思想を分かち合えない地元農民、革命士気の低下する仲間etc... ちょっとしたボタンの掛け違いが、ジャングルにいるととても歯がゆく感じられます。
そして、苛立ちを隠しながら、根からの優しさと革命人然をみせつづけるゲバラ。革命人として、生をまっとうしようとしていた気がしてなりませんでした。彼がもし生粋の軍人だったなら、政治家だったなら、このような戦いには決してしなかったと。
ソダーバーグは、ドラマ的な抑揚の削除はいつものように徹底的に行っていましたが、ある意味ドラマを感じ、秀逸だったのは、彼らに迫りくる政府軍の映し方でした。ジワジワッとゲバラを追い詰める彼らの姿がみえたとき、息をのむほどの緊迫感を感じたことも一度や二度じゃありません。
無音のエンディングについて、私はただオーディエンスが衝撃にシビれて立ち上がれないのかと思っていたら(私がそうだったから)、どうやらエンディングの後に追加シーンがあると思っていた方が多かったようですね。
やっぱりソダーバーグ、やってくれました。この後、『チェ 28歳~』を観たら感想も変わるんでしょうか・・・。ただ、あの長尺だとなかなか手がつけにくいです。
◇監督:スティーヴン・ソダーバーグ 『イギリスから来た男』、『ソラリス』
◇出演:ベニチオ・デル・トロ 『ユージュアル・サスペクツ』、『トラフィック』
デミアン・ビチル 『ウェルカム!ヘヴン』、『パズラー2 リターン・オブ・マッドネス』
サンティアゴ・カブレラ HEROES/ヒーローズ (シーズン1)』(TV)
ロドリゴ・サントロ 『ラブ・アクチュアリー』、『レッドベルト 傷だらけのファイター』
こんにちは。こちらでははじめまして。先日は当方のブログでのコメントありがとうございました。クリスさんもソダーバーグ、お好きなんですね。私も彼の作品はつい見てしまいます。
>ちょっとしたボタンの掛け違いが、ジャングルにいるととても歯がゆく感じられます
同感です。あの状況での微妙なすれ違いが、結局致命的だったのではないかと思いました。
ところで、左側に「GONE BABY GONE」のポスター画像が・・・!この作品、方々で絶賛されているのですが、やっぱりいいんですね。なんとか日本公開してくれないものか・・・。英語力のない身としては、日本語字幕がないと手も足も出ません。
by くら (2009-03-11 16:13)
くらさん、こんにちは。
くらさんもソダーバーグ好きなんですね。私もかなり好きです。
そして今作は、久し振りに彼らしい演出が冴えてたなって気がします。
「Gone Baby Gone」は、結局DVDスルーしちゃいました。だから、私もDVD鑑賞です。おすすめなんで、ぜひぜひ!
by クリス (2009-03-14 10:29)