チェ 28歳の革命 (2008) France | Spain | USA <Che: Part One> [film reviews]
待望のスティーブン・ソダーバーグ最新作です。彼の信奉者としては、どんなに忙しくったって観逃すわけにはいきません。
誰もが知っているといってもいいくらい、知名度の高い"チェ・ゲバラ"。何故なら、たぶん、彼の顔をモチーフにしたTシャツを代表とする各種グッズは世界中に散らばっていて、ほんの子供くらいの若者も安易に手に入れることが可能だから。
しかし、ほんとうに彼のことを知っている人ってどれくらいいるのかな? 私も含め、キューバ革命を遂行した人・・・ということしか知らない人は多いような気がしました。そして今作は、そんな人たちにとっては観続けるのは辛い。
まず、革命を遂行するにあたって繰り返し強行されるゲリラ作戦。あのカストロさえ、「カストロ」とは呼ばれない中、誰が誰なのか判断するのは、非常に厳しいといえます。ましてや日本人の顔じゃなく、中南米人ですから。
そして、やたらと皆が口にする地名ですが、これもキューバの地理 もしくは ゲバラたちが辿った道を知らなければ、いったい今、どの辺りにいて首都迄どれくらいなのかも、わかりようがありません。
最後に、これは良し悪しの問いかけではなく、今作もソダーバーグらしく可能な限り淡々とストーリーは展開されます。劇的な盛り上がりもなく首都へ乗り込むゲバラたち。そして国連においての演説へ続きますが、なんとも達成感は感じられず、いつの間にか革命は成し遂げられていたという感じ。
一応これって、映画(エンターテイメント)なんだけどな・・・と、ふと信奉者の私さえ感じました。
しかし。鑑賞後に、可能な限りゲバラに関するHPを読んだり、革命ドキュメンタリーを観たりして、少し考えが変わりました。
そして、もやもやとしつつもソダーバーグがこの手の演出にこだわった意味合いがみえてきたんです。彼は、彼なりのドラマ作りを極力排除し、その時、そこに実在したゲバラの再現にこだわったんじゃないかと。
とはいえ、ストーリーは淡々と進み、私程度のゲバラ理解度の方には退屈です。眠らなかったのが奇跡といってもいいくらい、疲れていたし。
しかししかし。この作品に続く『チェ 39歳別れの手紙』は、思いのほかドラマチックに感じられたんです。
◇監督:スティーヴン・ソダーバーグ 『KAFKA/迷宮の悪夢』、『スキゾポリス』
◇出演:ベニチオ・デル・トロ 『プレッジ』、『シン・シティ』
デミアン・ビチル 『ウェルカム!ヘヴン』、『パズラー2 リターン・オブ・マッドネス』
サンティアゴ・カブレラ HEROES/ヒーローズ (シーズン1)』(TV)
ロドリゴ・サントロ 『ラブ・アクチュアリー』、『レッドベルト 傷だらけのファイター』
少なくとも日本人向けには作られてなかったな。
間違いなく北米と南米に向けられていた気がします。
要予習映画の典型でしたね。
by ken (2009-03-07 11:13)
そうですね。
確かに予習が必要だと、鑑賞前にわかりそうなものだったのに。怠ってしまいました。
nice!をありがとうございます。
by クリス (2009-03-08 08:50)