ザ・バンク 堕ちた巨像(2009) USA | Germany | UK <The International> [film reviews]
桜の季節になりました。うちの会社は、8日(水)の会社後に花見をするとか。去年もやったんだけど、寒いんですよね~夜の芝公園はっ。今作は予告を観た際に、手堅い作りをしているなと感じました。B級の匂い かつ イマイチな宣伝によって今作を知らない人も実は多いんじゃないかという気がしますが、これは観ても損はしません。思いのほかよい、銃撃戦もあります。
国際銀行IBBCの裏金を捜査する、インターポール捜査官サリンジャー。NY検事局のエレノアと共に、ベルリン、リヨン、ルクセンブルグ、ミラノ、NY、イスタンブールと各地を転々とし、告発者や情報提供者との接触を試みながらIBBCの実態を探っていくが、証人・証拠は核心に触れる前に次々と消されていく。真の黒幕に近づけない焦りを感じる2人だったが・・・。
インターポールという職業について、知っている人は多くはないはず。国際犯罪や犯罪人に関する情報の収集が主なシゴトとなっています(ウィキペディアより)。これは、サリンジャーがいくらIBBCの黒幕追いかけても、彼には逮捕する権利がないということ。どかしい自らの立ち位置と、心情においては熱いものを持っているサリンジャーのジレンマもテーマの1つです。
ストーリーは、インターポールの範疇を超えそうなギリギリラインの追跡にグイグイと導かれていき(または、サリンジャーが持っていってる)、しかし、正面きって敵と対決することが叶わないもどかしさもあって、次第に彼にシンパシーを感じはじめます。クライヴの苦渋の顔が、妙にリアルにみえるせいもあります。これは、顔立ちからくるものといってもいい。
各国を渡り歩くところは、『ボーン~』シリーズを彷彿させました。しかし何故かしらB級の匂いがしてしまうのは、主役は張れるのにスターに成りきれないクライヴ・オーウェンの汗臭い、泥臭いスタイルのせいかとも思います。充分にスターな気もするし、主役を張った作品だって幾つもある。なのに、やっぱり顔立ちのせいなのか、準スターな印象を持ってしまいます。
ともあれ、クライマックス近くに起こるグッゲンハイム美術館の銃撃戦には、久々にしびれました。『アンタッチャブル』のような小細工もありましたが、美術館の撮影をどうやって敢行したのか、不思議です。グッゲンハイムのらせん状の構造をうまく生かし、敵と味方が混ざり合い廻りあうあの混沌とした感じは、緊迫感が一層あがるものになっていました。良作です。
ザ・バンク 堕ちた巨像 コレクターズ・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- メディア: DVD
◇監督:トム・ティクヴァ 『ラン・ローラ・ラン』、『パフューム ある人殺しの物語』
◇出演:クライヴ・オーウェン 『ベント/堕ちた饗宴』、『デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~』
ナオミ・ワッツ 『娼婦ベロニカ』、『ハッカビーズ』
アーミン・ミューラー=スタール 『KAFKA/迷宮の悪夢』、『天使と悪魔』
ブライアン・F・オバーン 『ダブリン上等!』、『幸せのレシピ』
監督がトム・ティクヴァなんですね~。テンポが良いのかしら?
気になっていましたので、観てみようと思います。
by 江戸うっどスキー (2009-04-06 23:01)
そうですね。テンポはとてもいいと思います。
この方、『ラン・ローラ・ラン』も撮ってたんですね。意外でした。
nice!をありがとうございます。
by クリス (2009-04-07 21:50)
ビーズアクセサリーはやっぱりラインストーンがキレイですよね。
by ラインストーン (2009-04-09 16:34)
こんばんは。niceとコメントありがとうございました。
クライヴ・オーウェンとナオミ・ワッツが、無駄に恋に落ちない所が良かったです。
クライヴ・オーウェンがスターになりきれないのは残念ですが、このまま男臭い路線で行ってほしい気もしています。
by ヂュヌヴィエーヴ・F・ビヂョンド (2009-04-15 19:40)
そうですね。安易な恋愛は無用な作品でした。
オーウェンはこの路線をいきそうです。
nice!をありがとうございます。
by クリス (2009-04-16 00:14)
こんばんは。
>手堅い作り
そうですね。
最近、これだけストレートな演出の映画は少ないように思います。
そこが懐かしくもあり、楽しめました。
>美術館の撮影
仰るように、撮影手法が気になります。
by hash (2009-04-20 00:16)