バーン・アフター・リーティング (2008) USA | UK | France <Burn After Reading> [film reviews]
最近、思いがけずハマッたコメディがあります。昔から、どっちかっていうとアメリカよりもイギリスの笑いが性に合っていた私。ただ、文化や政治的なネタとなると、なかなか他国の笑いはついていけないところもある中、基本的な笑いのツボを必ずハズさず、万国共通の笑いを作ったこのコメディ、次のブログに紹介したいと思います。そして、今作は笑えたのか・・・?
ひょんなことからCIAの機密CDを手にした、ジムトレイラーのチャド。自身の整形手術費が欲しい同僚のリンダと共に、CDの持ち主、元CIAのオズボーンにコンタクトをとるが、一向に脅しに乗らない。一方、オズボーンの妻ケイティは、財務省連邦保安官ハリーと不倫中だったが、リンダもネットの出会い系によってハリーと知り合う。
これは、痛快(ゲラゲラ)コメディだと思っていたら肩すかしを食らいます。これは頬筋がひきつって、決して上がることを許されない超ブラック(一応)コメディです。コーエン兄弟は、これほど迄に世の中の不条理を憂いでいるのかと思わずにはいられないほど善良な市民が貧乏くじを引く、胸のつかえが大きく残る、スカッと笑えない作品です。
そして、権力者たちはことなかれ主義に走ります。確かに、CIAほどの巨大組織ともなれば "ビックフィッシュ" を捕えるためには雑魚は泳がしてしまうことなんて、現実的にアリなんだろうな。「事件に大きいも小さいもない!」っと叫んだとある刑事の正義感が、やけに庶民的に感じてしまいます。ま、今作はそんなCIAを、コケにした作品にもみえるけれど。
けっこうハマッていたのは、ブラッド・ピットのi Podバカ役でした。彼がクレイジーな役をやるのを毛嫌いしていましたが、今作はよかったなぁ。役作りを余りしなかった(=地?)のかもしれませんね。薄汚れたジョージも完璧 "クルーニーオーラ" を感じなかったし、マクドーマンドのしわくちゃ振りも女優だということを忘れさせます。役者だなーと関心しきりでした。
◇監督:イーサン・コーエン 『バーバー』、『パリ、ジュテーム』
ジョエル・コーエン 『ブラッド・シンプル』、『バートン・フィンク 』
◇出演:ジョージ・クルーニー 『コンフェッション』、『かけひきは、恋のはじまり』
フランシス・マクドーマンド 『ブラッド・シンプル』、『ショート・カッツ』
ブラッド・ピット 『コンフェッション』、『イングロリアス・バスターズ』
ティルダ・スウィントン 『イヴの秘かな憂鬱』、『アダプテーション』
ジョン・マルコヴィッチ 『ある貴婦人の肖像』、『銀河ヒッチハイク・ガイド』
ブラピサイコ-でしたね
ジュ-スのコップをグルグルするシ-ンのアホ面と言ったら・・・・
by 魚河岸おじさん (2009-05-13 14:37)
もともとブラピファンじゃないんですが、この人、スマートに振る舞わなければたいして男前じゃないなと思っていました。
by クリス (2009-05-14 22:16)
こんばんは。
『ベンジャミン』と続いたのでブラピのギャップは新鮮でした。
バカばっかのバカ映画でしたが、前作『ノーカントリー』があんなだったので、コーエン好きとしてはこんな作品が堪らんのかな!
by トチオ (2009-05-14 22:30)
そうですね。ブラピはギャップありました、ああいう馬鹿な役をもっとやって、カラを破って欲しいと思います。
コーエン兄弟としては、テリトリーの幅の広さを感じずにはいられませんでしたね。nice!をありがとうございました。
by クリス (2009-05-14 23:13)
随分皮肉っぽい作品でしたね。コーエン兄弟の歪みっぷりが分かる作品でした。
まぁ、それを楽しめるか否か、なんでしょうね。
by 丹下段平 (2009-05-15 01:01)
コーエン兄弟は、こんなに世の中を憂いでいるのかなと思わざるを得ないほど、皮肉にみちていました。うーん、私にはちょっと歪みすぎてました。
nice!をありがとうございます。
by クリス (2009-05-16 09:41)
本編はブラック過ぎて笑えなかったのですが、
唯一、エンディングの歌だけは笑えたかな?
思いっきりCIAを皮肉ってて、
それで明るい曲調だったので、何気に聞き入っちゃいました^^
by てくてく (2009-05-17 01:34)
エンディング!苦笑するしかなかったですけどね~。
あんなCIAばっかりなんでしょうか。不良CIAが絡む映画が、最近多い気がします。nice!をありがとうございます。
by クリス (2009-05-17 22:57)