痛いほどきみが好きなのに (2006) USA <The Hottest State> [film reviews]
イーサン・ホークの、実体験から生まれた自作の小説を映画化。自らメガホンもとっています。イーサンらしいクリエイティビティを感じる歌や映像が、アメリカ映画らしからぬ美しさを持ち。『痛いほどきみが好きなのに』というタイトルもいいです。 ウィリアムの "痛い" ほどサラを思う気持ちと、まだまだ未熟な彼自身が "痛い" 存在という。その痛みを、歌や映像が優しく包みます。
NYに暮らす俳優の卵、ウィリアム。シゴトも多くなく気ままな日々暮らしをしていた中、ミュージシャン志望のサラと出会う。まだNYにきて間もない彼女の家が決まる迄、ウィリアムの家を仮宿にしてもらうことに。不思議なほど彼女に心奪われてしまったウィリアム。2人は、ウィリアムの撮影に便乗してメキシコへ旅行し、灼熱の地にて燃え上がり、結婚さえもしようとするが。
イーサンといえばNYの印象が強くて、テキサス出身だということをすっかり忘れていました。イーサンの分身=ウィリアムは、幼い頃に父と別れ、女性の愛し方がぎこちないままに大きくなってしまいます。マーク・ウェバーという、さほどハンサムじゃない若手を使ったイーサンの控え目さ(?)と、彼のゆたかな感情の表現力には、等身大のリアリティがとても感じられました。
サラ役の、『ファーストフード・ネイション』にも出ていた、コロンビア出身のカタリーナ・サンディノ・モレノもとても可愛く、女優としては少し豊満なカラダもとても自然体に感じられ、"特別な女の子" な雰囲気を醸していました。万人には受けないけれど、イーサン好きには、彼の実経験を疑似体験できるという楽しみもあります。ウィリアムの愛し方は、痛すぎて敬遠したいけれど。
カタリーナの南米らしいファッションが好き
◇監督:イーサン・ホーク 『チェルシーホテル』
◇出演:マーク・ウェバー 『さよなら、さよならハリウッド』、『ブロークン・フラワーズ』
カタリーナ・サンディノ・モレノ 『そして、ひと粒のひかり』、『コレラの時代の愛』
ソニア・ブラガ 『蜘蛛女のキス』、『エリオット・バーンズの帰還』
ローラ・リニー 『ロレンツォのオイル / 命の詩』、『真実の行方』
ミシェル・ウィリアムス 『私は「うつ依存症の女」』、『脳内ニューヨーク』
カタリーナ・サンディノ・モレノ、 「そして、ひと粒のひかり」の女優さんなんですね。
キャスティングのセンスも渋いですね。
by きさ (2010-08-09 05:36)
キャスティングも、個性的でした。
by クリス (2010-08-09 21:23)