ペルシャ猫を誰も知らない (2009) Iran <No One Knows About Persian Cats> [film reviews]
ことしのSumamrsonicもあっという間に終わって、去年のことを思いだすと、まだ喉の奥に熱くなるものが・・・。ことしは、Keane の追っかけも有言不実行かよ! と、かなり突っ込みたい状況ですが、あまりに遠ざかってうずうずするものもあり、いきたい Live をいくつか Pick Up 中です。そのうち、Blog にアナウンスしたいと思います。Keane がみこめないのは辛いけれど。
インディ・ロックを愛するネガルとアシュカン。だが、アシュカンは無許可演奏を理由に逮捕され、釈放されたばかりだった。イランにいては好きな音楽はできないと出国を決める2人。パスポートやビザを準備するため、便利屋ナデルを訪れる。2人の才能に惚れ込んだナデルは、彼らの出国前にアルバム製作とコンサートの許可を得ようと奮闘し、2人はバンドメンバーを探しまわる。
表現の自由のない国、イラン。イスラムの戒律を政治や立法が拡大解釈しすぎるが故に、国の許可が得られない音楽は、アンダーグラウンド化せざるを得ない状況にあります。アングラ文化ってどの国にもあるかもしれませんが、イランのアングラ=みつかったら逮捕 なんです。そういう状況のちがいが、ゲリラ撮影を強硬したという事実からも少なからず読みとれると思います。
『クロッシング・ザ・ブリッジ』という、トルコはイスタンブールのアングラ音楽を探ったドキュメンタリーがありました。あれを観て、トルコ生まれのインディー・ロックやラップがあった事実を知り、少なからず驚いたのを思い出しました。中東の文化圏からの情報は決して多くないこともあり、いまだに伝統舞踊音楽や懐メロなフォークソングが主流だと、信じていたところがありました。
けれど、イランにだってビートルズ好きはいるんです。マーロン・ブランドやアル・パチーノが出ている映画を、こっそり観ている人々だっているんです。ときに警察に拘束されながらも、自分たちがやりたいことがやれる道を探すネガルとアシュカンが、反イスラム的といえるんでしょうか。結局は彼らの欧米思考を恐れる政府の、恐怖が恐怖を生むという悪循環にすぎません。
ラストが今のイランを現したメタファーだとしたら、それは悲痛。アシュカンの願いの1つは、「アイスランドへいってシガー・ロスに会うこと」でした。シガー・ロスさえもイランに存在することが嬉しく、音楽に国境がないことを改めて感じました。イランにも、いい音楽がいっぱいある。わたしたちはまず、イランのこの状況を知ることに意味があります。そんなメッセージを受けとりました。
赤い服のアシュカンは、若かりし頃のポールに似てます
◇監督:バフマン・ゴバディ 『酔っぱらった馬の時間』、『亀も空を飛ぶ』
◇出演:ネガル・シャガギ 『ペルシャ猫を誰も知らない』
アシュカン・クーシャンネジャード 『ペルシャ猫を誰も知らない』
ハメッド・ベーダード 『予感』
ずしんと重く響くイランのラップミュージシャン Hichkas 彼がなにを唄っているのか、英語のキャプションつきです
トルコのKenan Doguluが唄うこの「Cakkidi」という曲はi Podに入れるほど好き~♪
トルコやイランの音楽すごくかっこいいですね★
by hiro (2010-08-12 22:48)
そうなんです !
中東の雰囲気が出ていて、実はとってもクールなんですよね♪
by クリス (2010-08-13 07:37)
あー!この映画すごく気になってたんですよねー!
でも近くで上映してるとこがないといういつものパターン^^;
福岡が秋の予定になってるので行けたら行ってみようと思います
これサントラが欲しいです
(自分はHichkasが良かったです)
そういえばまだ『スラムドッグ$ミリオネア』のサントラ買ってないの思い出しました(笑)
あれは音楽の話ではないですけどインドの音楽すごくかっこいいですよね(もちろんM.I.Aも)!
by コウスケ (2010-08-14 07:20)
コウスケさん、
これはなかなか魅せますよ~。
ゲリラ撮影したという状況からも、危険を冒してイランのアングラ音楽に潜入したんだっていう感覚が伝わります。音楽のジャンルも多くて、聴いてて飽きませんしね。
『~ミリオネア』のサントラはよさそうです。
インドもまた、踊りたくなるたのしい音楽と、しっとり聴かせる音楽と、どっちもいいですね。
by クリス (2010-08-15 12:23)