SSブログ

蒲田行進曲 (1982) Japan <Fall Guy> [film reviews]

   遅くなったけれど、7月に亡くなった、つかこうへいさん追悼の想いを込めて。とても賑やかな作品です。黒澤監督の『影武者』や『乱』ほどとはいかない迄も、けっこうな数のエキストラを使って、ドンチャンお祭り騒ぎの中にホロッとさせる状況をポツ、ポツと作って。そして、なんといってもあのラストシーン。乗った覚えのないジェットコースターの、てっぺんから落とされた感じ^^

   時代劇のメッカ、京都撮影所。人情にあつい反面、激情家なのが玉にきずな大スター銀ちゃんと慕う子分の一人に、ヤスという大部屋俳優がいた。ある日、銀ちゃんが女優の小夏を連れてヤスのぼろアパートにやってくる。銀ちゃんの将来のキャリアを考えると、銀ちゃんの子供を身ごもった小夏はスキャンダルになるからと、ヤスに小夏と結婚して面倒をみるようにと押しつける。

   けっこうきわどいシーンもありました。ヤスん家の銀ちゃんと小夏のHや、ヤスが「階段落ち」のプレッシャーや小夏への想いが深くなりすぎたことに耐えられず、暴れまくるシーンとか。前者は、ここ迄やっても万人に愛される作品なのか・・・という驚きと、後者は、今やったらいろいろと問題視されそうだな(夫のDV)と思いつつも、ヤスの人となりを知っていれば理解したくなります。

   そう、銀ちゃんも小夏もヤスも、それぞれに味方についてあげたい、応援してあげたい気持ちにさせる人となりだからこそ、これほどにきわどいシーンがあってもパーツパーツが注目されずに、キャラとのバランスがうまく作品に働いているんだと感じました。こういう義理人情が現実社会に少なくなればなるほど、余計にウケるのかなぁという寂しさも感じました。特に都会はね。

   風間杜夫の銀ちゃん役は、あの悪趣味な車と衣装が悪夢に出てきそうです。千葉真一をはじめとした、JACKのメンバーが友情出演していたはずなのに、志穂美悦子しか解らなかったなぁ。なぜかしら? 残念。実を言うと、平田満って大学生のころ、好きだったことがありました。あのアジア人らしい顔つきが、妙にツボだったんですよね。今考えると、懐かしいなぁ。

1982_l.jpg

蒲田行進曲 [DVD]

蒲田行進曲 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
  • メディア: DVD

◇監督:深作欣二 『青春の門』、『道頓堀川』
◇出演:松坂慶子 『火宅の人』、『武士の家計簿』
     風間杜夫 『華の乱』、『インスタント沼』
     平田満 『すかんぴんウォーク』、『上海バンスキング』
     高見知佳 『意地悪お手伝いさん』(TV)、『愛しのチィパッパ』
         原田大二郎 『ふくろう』、『草の乱』
     蟹江敬三 『遠雷』、『火宅の人』

nice!(10)  コメント(4)  トラックバック(1) 
共通テーマ:映画

nice! 10

コメント 4

ken

今観ると、風間さんと松坂さんが若くてビックリしますね。
若いって素晴らしいw
この映画が万人に愛される理由は「悪人」が出てこないからでしょう。
人情に溢れる名作だと思います。
by ken (2010-09-20 03:09) 

クリス

2人とも、今とあまり変わらない風貌ですしね。
いや、松坂さんは少しぽっちゃりしたけれど。
悪人のいない作品って、締まらない気がしていましたが、
今作のような人情あふれる作品なら、OKですね。
もっとそういう作品、日本の昔の作品も開拓しなくちゃなぁって思いました。
by クリス (2010-09-20 23:21) 

サンフランシスコ人

サンフランシスコで見ました。
by サンフランシスコ人 (2010-09-23 07:53) 

クリス

海外で観る日本映画って、いいですよね。
by クリス (2010-09-23 11:45) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。