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終着駅 トルストイ最後の旅 (2009) [film reviews]

   美容院にいってきました。連日の猛暑もあって、ベリーショートにしたいなって思っていて。『勝手にしやがれ』のジーン・セバーグの写真を持って、「こんな風に!」って美容師のIさんに言ったものの、Iさんかなり気持ち後ろ向き(笑)結局、ベリーショート3歩手前くらいの髪型になりました。ま~ね、猛暑が終わった感もあるし、短くしたいなら次回だってやれるしね。少しずつ・・・。

   文豪トルストイは彼の自然主義的思想に則り、民衆のために書いた自らの本の著作権を放棄しようとしていた。しかし、妻ソフィアにとっては寝耳に水。家族のための遺産を放棄すること拒み、夫妻の間に深い隔たりを作る。そんな中、憧れの文豪のもとに秘書としてやってきた青年ワレンチンは、その誠実さからトルストイ、ソフィア両名より信頼され、2人の素顔に接していく。

   ジェームズみたさに劇場へ向かった今作。Newsweekの、「失敗つづきの伝記映画」というレビューを呼んだばかりだったし、作品のデキにはちっとも期待していなかったけれど、その割にはたのしく観れた一作です。それもこれも、もちろんジェームズがいつものように魅力的だったことも、大いに貢献していますが^^; 今作は、奥さんと共演ってところに、嫉妬もあり。

   ロシア人トルストイの伝記にもかかわらず、主要な役者はほぼイギリス系。自然とイギリスアクセントが主流となり、その町並みやトルストイの住居、住居を囲む自然からも、イングランドを彷彿させつづけました。基本的に、偉人の伝記はその国が製作することが望ましいと思いつつ、今作は、トルストイの伝記じゃなくとも、おもしろいと感じる要素をいくつか持っています。

   それは、トルストイと妻ソフィアの、愛もありユーモアもありながらも問題を抱える老夫婦の歩みが、身近に感じられたから。人としての自由と愛を求め、自然の中の質素な暮らしを望んだトルストイの理想主義も、家族のために遺産を残したかった妻ソフィアも、典型的な男女の考え方の差異といえたかと。決して、歴史に名を残した夫妻の、特別なはなしじゃなかったんです。

   そこへやってくるる青年秘書・ワレンチンの存在が、つい忘れそうになる "トルストイ" という変人の真の姿と、その普遍的な夫婦の姿を映す架け橋となっており、その大役をジェームズが完璧にこなしたことから、彼の存在感がさらにひきたつ作品でした。特に尊敬するトルストイをはじめて目にしたワレンチンの瞳に注目です。あ~、やっぱジェームズいいなぁ。一押し俳優です。

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トルストイを知っている人にとっては、ものたりないはず

◇監督:マイケル・ホフマン 『ダルク家の三姉妹』、『素晴らしき日』
◇出演:ヘレン・ミレン 『2010年』、『ゴスフォード・パーク』
     クリストファー・プラマー 『目撃者』、『あの日の指輪を待つきみへ』
     ジェームズ・マカヴォイ 『ナルニア国物語/第一章:ライオンと魔女』、『つぐない』
     ポール・ジアマッティ 『交渉人』、『シンデレラマン』
     

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perseus

こんばんは。
ジェームズという俳優は知らなかったのですが、
トルストイには興味があるので、クリスさん一押し
の俳優を共に見てみたいものです。
ヨーロッパ映画は結構好きですので、レンタル屋
で探してみます^^
by perseus (2010-09-16 01:46) 

クリス

ジェームズ・マカヴォイは、まだまだ知名度がないかもしれませんが、
格好いい上に、役者としてもとてもよくて、これからが期待大です。

もし、彼の作品をレンタルされるんであれば、
『つぐない』や『ラスト・キング・オブ・スコットランド』をおすすめしておきます♪
nice!をありがとうございました。

by クリス (2010-09-16 07:11) 

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