ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 (2009) Sweden | Denmark | Germany <Luftslottet som sprängdes> [film reviews]
『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』、『ミレニアム 火と戯れる女』につづく、ミレニアム・サーガ 完結となる今作。観終わったあとの爽快感といったら、昨今にないものがありました。2時間30分が嘘のように、集中してスクリーンにかじりついていました。前作と今作と、やたらと登場人物が多くなったことも、かなりアタマをフル回転させました。いいアタマの体操になったかも?
一連の殺人事件の真犯人ザラと対決し、瀕死の重傷を負ったリスベット。一命をとりとめたものの、厳重監視の病院に入ることに。一方、亡命ザラを使い、数々の犯罪に手を染めてきた秘密組織が、国家的スキャンダルを闇に葬ろうとリスベットらの口封じにうごく。ミカエルをはじめとした彼女の理解者たちは、巨悪を真っ向から暴くため、法廷における全面対決を迎えるが・・・。
今作の肝は、リスベットの過去がどう清算され、彼女がどこへ向かうのか? でした。コイントスが50%の確率によって裏にも表にもなるように、彼女の処遇が過去に逆戻りしても、過去から解放されて新たな人生をみつけても、また、解放されたものの悲劇が待ちうけていてもおかしくないという、ハラハラした状況。それだけに、どのシーンも手に汗握る展開となりました。
なにより嬉しかったのは、過去のトラウマから人が信じられず、近づく人に心を許すことなくひたすらに遠ざけ、孤独に生きてきたリスベットの真の理解者が、実は思いのほか多かったことです。ミカエルをはじめ、リスベットの弁護人となる彼の妹、元後見人、病院の担当医、そしてミレニアム編集チームと、彼女のほんとうの内面を感じとり、心を寄せ、そして愛した人たちです。
ミカエルに至っては、身を危険に呈しながらも彼女のために尽くし、その代償をいっさい彼女に求めなかった姿が剛直というか、愚直というか・・・。1作目において、寝たこともある2人だったけれど、新たなスタートをきったなという感触がありました。ミレニアム・サーガにハマった私も、実はリスベットのよき理解者の1人となっていたんですね。これが嬉しさの最大の理由かも。
すっかり忘れてた "スターウォーズ" の旧作3部作のことを、思い出しました。イタリアから帰ったら観るかなぁ。というか、いつか観ないと終わらないしね。"ミレニアム・サーガ" も含めて、やっぱりヨーロッパ映画が心地いいなと感じる、今日この頃です。きっと、彼らの思考の表現を観て、それについてあれこれ考える旅に出るのが好きなんだと思います。好みなのかな。
リスベットの反撃
◇監督:ダニエル・アルフレッドソン 『デイ・オブ・ザ・ディシジョン』、『ロード・オブ・ウォリアーズ』
◇出演:ノオミ・ラパス 『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』
ミカエル・ニクヴィスト 『エヴァとステファンと素敵な家族』、『歓びを歌にのせて』
アニカ・ハリン 『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』
ペール・オスカルソン 『最後の谷』、『シークレット』
nice 入らない。
by enosan (2010-10-08 08:42)
コメントも入らない。
by enosan (2010-10-08 08:43)
真ん中の人、凄い髪形ですね。
by yukikaze (2010-10-08 11:53)
お見舞いコメントを頂き、ありがとうございました。
徐々に母の体調も上向きになっております。。。
by 銀狼 (2010-10-08 18:44)
2はリスペットちゃんの服装がコロコロ変わり物凄く可愛く感じました(笑)
3は2のストレスが一気に解消され爽快でした。
>実はリスベットのよき理解者の1人となっていたんですね。
私もクリスさんの視点に近かったのかもしれません。
by aneurysm (2010-10-10 07:40)
>enosanさん、
すいません。システムの不具合でしょうか。
>yukikazeさん、
髪型には、彼女なりの理由があるのですよ。
>銀狼さん、
よかったです。うちの両親も、いい年なので人ごととは思えません・・・。
>aneurysmさん、
たしかに、彼女にしては珍しく、衣装がいろいろだったかも。
3はすっきり爽快でしたね。わたしも気持ち良く劇場をあとにしました。
みなさん、nice!をありがとうございました。
by クリス (2010-10-10 23:15)