甘い生活 (1960) Italy | France <La dolce vita> [film reviews]
あっという間に3連休も終わり。激しい雨が降ったかと思えば、きょうは夏のように暑くて。体も壊さず、夏季休暇なしに乗りきったなぁ。あんなに遠い未来に感じていた旅行迄、あと1カ月になりました。時間があった割に、イタリア映画ばっかり観てて、ホテルを決めてなかったし(今、ローマ分は予約)、ローマ⇔フィレンツェの列車も押えてないや。あ、スーツケースもない…。
作家志望の夢破れ、ゴシップ記者として生計を立てるマルチェロは、女に持てる風貌を生かし、富豪の娘を一夜を明かしたり、ハリウッドのグラマー女優を一人占めしたりと乱痴気な暮らしを送っていた。同棲中のエンマは家に帰らない彼を嘆き、自殺未遂を起こす。落ち着きを戻した彼女と2人、向かったスタイナー一家の知的かつ落ち着いた暮らしを羨むマルチェロだったが・・・。
ローマロケ地、マルチェロが主役、フェリーニ作品、と楽しみな要素がいっぱいつまった今作。豪遊した暮らしぶりから浮かぶ、退廃的、デカダンス・・・。ストーリーなきストーリーから感じとれるそのけだるさと、最後には絶望しか残っていない残酷な主人公の人生を、マルチェロが好演していて。夜中にこっそり、トレビの泉の中に忍び込みたくなります(できないけれど!)。
なにかのリサーチにあったけれど、人がお金があることに幸せを感じるのは、年収700万円程度迄だとか。それを超えると、お金があることに幸せをみいだせなくなるそうです。今作に出てくる人たちは、マルチェロをのぞくと、年収700万円を軽く超えた人たち。上流階級には入れず、知的な暮らしも送れず、けれど優雅な暮らしぶりが一般市民からは羨ましがられる、微妙な所。
愉しそうに振る舞いながらも満たされない雰囲気が、全編に渡って漂っていました。かといって、3時間の作品にする必要は、なかったと思うけれど。シーンの1つ1つの意味を感じるところは、さすがフェリーニ、なんだけど。迷信に近い神がみえるという子供を追っかけたメディアと野次馬のシーンは、エキストラの多さと、雨と、その迫力は、黒澤作品に通じるものを感じました。
あ・・・やばい とけちゃいそう ^^;
◇監督:フェデリコ・フェリーニ 『カリビアの夜』、『魂のジュリエッタ』
◇出演:マルチェロ・マストロヤンニ 『カサノヴァ70』、『異邦人』
アニタ・エクバーグ 『パリの休日』、『女と女と女たち』
アヌーク・エーメ 『男と女』、『8 2/1』
バーバラ・スティール 『三十九階段』、『8 2/1』
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