ファミリー・ツリー (2011) USA ＜The Descendants＞

　　　ハワイに暮らす弁護士のマット。彼はカメハメハ大王の末裔で、先祖から受け継いだ広大な原野を持っていた。その土地の売却問題で一族をまとめあげていた彼だったが、妻のエリザベスがボート事故によって意識不明の昏睡状態に陥る。家族のことは妻に任せっきりだったマットだが、高校生の長女アレッックスから妻の浮気の事実を聴き、ショックと怒りが隠せないー。

　　　ずっとハワイには興味がなくて、いったこともなかったんですが、歳を重ねるとあの開放的かつのんびりした空気に触れてみたいと思うようになりました。また、今作のように、ハワイに暮らす人々の普遍的な悩みが描かれた作品を観ると、親しみも湧いてきます。いくら究極のリゾートに暮らしているとはいえ、人生のうちに起こるできごとは似たりよったりだなぁと。

　　　家庭をかえりみなかったマットは、妻の浮気相手を探るという探偵めいたことをするにあたり、長女アレックスとの距離を縮めていく。同時に、幼い次女にはママとの永遠のお別れをさせなければならず、彼女を理解しようと奮闘する。マットの努力は、夫婦の再構築をするには遅すぎたけれど、それでも家族の再構築にはなんとか間に合った。そこが、今作の救いです。

　　　娘二人、義理の父、妻の浮気相手…。なじられるほどに自身の不甲斐なさをを後悔し、時に自信を喪失しながらも這い上がろうとするマットを、ジョージ・クルーニーが好演。軽はずみに言い返したりせず、場合によっては真摯に受け止めるところに人間味がありました。10年前なら、こんな役を彼が演じるなんて想像もつかなかったですよね。今じゃ、オスカー俳優ですし。

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• 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
• メディア: Blu-ray

◇監督：アレクサンダー・ペイン　『アバウト・シュミット』、『サイドウェイ』

コメント 3

こんにちは。
ハワイは少しだけ立ち寄ったことがあるだけで、ゆっくりしたことはありません。
でも自然がやはりすばらしいところなんでしょうね。そういうハワイの自然の中を歩いてみたいものです。
この映画は見逃してましたが、クリスさんのレビューを読むとがぜんみたくなりました。ジョージ・クルーニーもいい年のとり方をしているような気がしますね。

私は金曜日から風邪で胃腸をやられました。昨日お医者さんで点滴を打ってもらって、かなり良くなりましたがまだ食欲はでません。ですが、去年からすごく体重が増加してしまったので、この機会に痩せられるかもです！
そちらもとても寒い日が続いていることでしょう。どうぞくれぐれもお体をお大切にお過ごしくださいね。
by coco030705 (2012-12-09 18:01) 

ジョージさんは、商業作品の合間に
渋めの作品をチョイスして、コツコツ積み上げてきた
印象があります。
出演作品が
逆境をユーモアを交えて乗り越える作品が多いので
まじめで優しい方なのかなと（笑）
by aneurysm (2012-12-09 21:02) 

cocoさん、
そうそう。ハワイは自然をたのしみたいですよね。観光地化されていないようなところに、踏み込んでみたいです。
お体はいかがですか?　ことしの風邪は長引くようですので、くれぐれもたいせつにしてくださいね。nice!をありがとうございます。

aneurysmさん、
たしかに。『シリアナ』のジョージはよかったですよね。『ソラリス』のときもよかったです。作品も大好きですが。
きっとジョージは、ナイスガイだと思いますよ〜。交友関係の広さや、映画界への真摯な姿勢、ときにユーモアがあるところなどをみると…。nice!をありがとうございます。

by クリス (2012-12-12 23:05)