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偽りなき者 (2012) Denmark <Jagten> [film reviews]

   デンマークの田舎町。離婚により息子とはなれて暮らすルーカスは、幼稚園教諭の仕事を生き甲斐とし、仲間たちと狩猟をを楽しむ穏やかな日々を送っていた。ある日、彼へのプレゼントを拒絶された園児クララが、「ルーカスにいたずらをされた」という嘘をついてしまう。その証言に大人たちは動揺し、教諭を辞めさせられたルーカスは村八分に合い、嫌がらせや暴力に耐える日々がはじまる。

   印象的な『光のほうへ』から2年。トマス・ヴィンターベア監督の最新作は、デンマークが誇る国際派俳優マッツ・ミケルセンを主役に迎えています。マッツは、私自身もとても好きな俳優の一人。『007/カジノロワイヤル』は気味の悪い悪役でしたが、『誰がため』の無骨なところに惹かれ、『シャネル&ストラヴィンスキー』は彼のために観たようなものでした。セクシーすぎて、クラクラ。

   今作では、そんなマッツが背筋も凍るような壮絶な村八分に遭います。最近も、山口県山間部の村で凄惨な殺人事件が起りましたが、マッツ演じるルーカスが山口の犯人になってもおかしくない程の、陰湿なイジメです。子供は無垢だという思い込みによって昔からの親友にも裏切られ、スーパーの買いものさえボコボコにされて断られるという度を超えたことも経験しますが、彼は耐え忍ぶんです。

   彼の生き方としての信念があったと思います。自身の身の潔白は明らかであり、幼い頃からともに暮らした街の人々への信頼や親しみも、消え去ることはなかったかと。そしてなにより別居している息子に、父親として正しいことを貫ぬき通す姿をみせたかったような気がしました。ラストの瞬間も気が抜けませんが、重いながらも観応えある作品でした。マッツの魅力も、十二分に感じられますし。

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偽りなき者 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 角川書店
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◇監督:トマス・ヴィンターベア 『光のほうへ』

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