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異文化地域交流とブラジル映画 [feature films]

 卒論が一段落ついたと思ったら、久し振りにヒドイ風邪をひいてしまいました。昼夜逆転の、日差しをほとんど浴びない暮らしが続いたせいか、免疫が落ちて腸にウィルスが入り込み、腸炎になりました。最終的に病院へ行って薬をもらい、点滴も打ってもらって治ってきた所を、昨日、フライング気味に飲みに行ってしまって、またちょっとぶり返してます、、、(^-^;

 

それはさておき、日本に戻ってきてはや1ヶ月とちょっと、少し前はそのうちイギリスに又戻るような一時帰国気分だったけれど、最近は、落ち着いた日本の暮らしが楽しくなってきました☆ただ、4年近く地元を離れていた為に、大なり小なりの変化がいっぱいあるんです。その中でも、最大の変化といったらブラジル人のご近所さんがえらい増えたこと---。

 

 

実際には隣近所という訳じゃなく、うちの近くの公団に暮らすようになったブラジル人が増えたんです。それに伴って、ゴミ置き場や工事現場には日本語とポルトガル語の表記が並ぶようになりました。私が通った中学にも、ブラジルの生徒が数人いるらしいし。後、近所の商店街にはブラジル食材屋、ビデオ屋、服屋、精肉屋、後は飲み屋なんかもいつの間にやらオープンしてました。今迄はずっと(気になってはいたけど)前を素通りだったんですが、やっぱり近所だし、スーパーへ行けばブラジル人にほぼ100%出会うようになったし、ポルトガル語はアディオス!ぐらいしかしらないけど、「異文化地域交流」せなな~と思って、母を連れてブラジル系お店に行ってきました(笑)

 

 

左が精肉屋、右が食材屋ですが、どちらの店員も日本語はカタコト以下、こっちもポルトガル語はわかんないし、往生してしまいました、、、。だって、せっかくやしなにか喋りたかったのに共通語がなくて。特に、食材屋のお婆ちゃんがしきりに話し掛けてきて、こっちは「はぁ(笑顔)、、、えぇ(笑顔)、、、まぁ(笑顔)、、、」の連続なのに気にせず喋りかけてくる。息子(写真)がやってきて、「・・・・・・ジャポネ~」とかいって、ようやく日本人だと理解してもらえたけど。(うちの母子、別にガイジン顔とかじゃないですよ(笑))

 

 

(左↑ブラジルパブ)戦利品は、牛テール、ブラジル版ラスク、ブラジルコーヒー豆に何故かタイ製パインジュース。うちの母も積極的に、「これはなに?あれはなに?」を興味を持ってくれて(まぁ聞かれても私もわからなかったりしたけど)よかったです。気分はブラジルって意外と近いねーみたいな(笑)行って帰ってきた感覚。エセチープ海外旅行でしたね。牛テールは、家に帰って速攻血抜きして、グツグツと煮込みましたョ(家族にも好評でした!)。

 

ロンドンにいた頃はブラジル人の友人が数人いたんですが、今も連絡を取る仲なのは I (写真↓左)くらい。右は台湾人のR。

前に「シティ・オブ・ゴッド」を観た時、I にIt's an excellent film!というようなメールを送ったことがありました。でも、I や中流階級のブラジル人は、作品にあるような貧困、犯罪社会etcのブラジルの暗部を抉ったストーリーは、恥だと感じたようなんです。「そういう面ばかりがブラジルじゃない」と。もちろん私もそう思います。ただ、「シティ・オブ・ゴッド」に描かれていたギャング抗争は、「決して大袈裟じゃない」本来の暗部の姿だとも認めていました。暴力連鎖の歴史が今も築かれていて、非常な殺人なのに、感覚が麻痺していくような、、、そんな世界が、ブラジルに限らず大なり小なり世界中にあるんですよね。

 

この映画、少なくともロンドンじゃヒットしてましたが、ヒット要因は作品の質の高さにあると思います。それはブラジル人が大いに誇れる所です。ラストからはじまるオープニング、テンポと音楽の良さ、又、語りの少年自身はスラム街から少しはみだした所に身を置いていて、目線が私達観客に近かった。実社会じゃ覗ききれない部分を、一定の距離感を持って魅せていく辺り、観客の好奇心を煽っていたと思います。又、彼自身は殺人もせず青春を謳歌したり、ラストにもスラムの少年達とは対照的に希望がみえる辺り、観客が彼に自身を重ね合わせて観ずにはいられなかったハズ。

 

この映画を観て心が揺さぶられるのは、社会からはただの悪人扱いを受けるスラムのギャング達にも、愛する家族や恋人達がいて、彼らを想う優しさに溢れ、想いすぎるが余り暴力へと駆り立てられてしまっている所かなぁと思います。そこから連鎖反応が起き、誰にも止められない無政府状態へと加速するのは、貧困や低学歴やその他要因が重なり合っていて、これが救いようがない「現実」なんですよね。痛すぎます。

 

シティ・オブ・ゴッド【廉価版2500円】

 

 

シティ・オブ・ゴッド【廉価版2500円】

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2006/01/27
  • メディア: DVD

 

セントラル・ステーション」も、ラストの少年の涙がこっちもボロボロと泣いてしまってよくみえなかったくらい好きなんですが、この作品も、貧困が生む悲哀、乾ききった孤独から沸き起こる愛情etcが真に迫ってきてたまらないです。ロードムービー+擬似親子体験って題材は少なくないけれど、2人の温度差の縮まり方が、画面の色使いやカメラワークにも効果的に写されてる作品って、そうはないと思うんですよね。

 

セントラル・ステーション

 

 

セントラル・ステーション

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • 発売日: 2003/12/05
  • メディア: DVD
 
兎に角、私ももっとポルトガル語を勉強するとか、ブラジルのことを知るとかいうことが必要なようです。これもなにかの縁だし、せっかくのご近所さん、仲良く理解しあいたいですよね。

nice!(7)  コメント(14) 
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berry

蟻銀さん、大変でしたね。そっかぁ〜、静かだったのは卒論プラス風邪のせいだったのですね。それも腸炎だったとは・・・
ともかく元気にブログに記事が書けるようになってよかったです。
まだまだ安静が必要なのかな?お酒はほどほどにね♪(笑)
街(町)は変わりますよね。蟻銀さんは外国暮らしで日本を離れてらしたから変わりようも大きいでしょう。
ブラジル人との交流はおもしろそうですね。日本語がペラペラじゃないところがいいです。(笑)
私も近所の若い中国人夫妻と知り合い、2週間くらい前に我が家で夕食会を開きました。奥さまは日本語がたどたどしい。
ぜひポルトガル語を勉強して下さい。うふ、iPod nanoは英会話の勉強のために買いました。中国語も興味ありますね。
ポルトガル語は・・・難しそう !?
by berry (2006-04-10 23:32) 

bone-shaker

なるほど、話には聞いてましたが、こんな感じなんですか~。
リオの下町の写真です、って言ってみてもバレないかも?(笑)
でもって、ブラジル人にもやっぱりポルトガル語で話しかけられてしまうんですね(笑)。こうなったらポルトガル語マスターして対応できるようにしないと~。
にしても、戦利品がまさかオックステールとは(笑)。
by bone-shaker (2006-04-11 02:11) 

Lucy

私の住んでいる所でも、ブラジルに限らず南米系の方をよく見かけますよ。日本に住んでいる外国の方々のために、自分の職業を活かして、ボランティアで健康相談とか病院受診のお手伝いとかができたらなぁ、なんて考えていたのですが、やはり、スペイン語かポルトガル語が重要なんですよねぇ。(←未だ夢のままですが...)一時期、テキストを買ってNHKのスペイン語講座を観てましたが、三日坊主でしたー^^;でも、いつかやってみたいです♪
by Lucy (2006-04-11 19:23) 

クリス

みなさん、nice&コメントありがとうございま~す♪

>berryさん
ほんとに、環境がガラッと変わったせいか、いろんな疲れが一辺にでた感じでした、、、。でも、ようやくホッとできてる気がしますね。
iPod nanoは英語学習の為だったんですか~。黒なんて格好良すぎです。ポルトガル語、さっぱりわかんないけど、まずは挨拶くらい交わせるように(今迄は、目があって微笑むくらいなもんだったし)なりたいですね。

>Y君
そうでしょ?この通りにブラジル屋が何軒あるやら・・・。それにしても、どうしてこうも日本人にみられないのか、頭ん中???だらけ(笑)
オックステイルスープは、意外中の意外やったよ!ほんとはブラジル豆コーヒーが楽しみでしゃぁないんやけど、腸が治る迄我慢やわ~。

>Lucyさん
そうですよね~、私も自分の専門をいかして、プチ家屋診断とかしたいなぁ(必要であれば)。でも、日本に住んでるからには、日本語をできたら喋って欲しいなぁと(彼らも必要性を感じるだろうし)思っちゃいますね。もちろん、スペイン語やポルトガル語もかじってみようって思いますが、実はイタリア語が喋りたかったりして(苦笑)
by クリス (2006-04-11 20:26) 

lucksun

卒論一段落したんですね。おつかれさまでした。
日本に帰ってきたのに、なぜか日本じゃないような(?)
街並み……歩くだけでも楽しそうですね。
この機会にぜひ文化交流に励んでください〜(笑)。
食の面なら難なくブラジル文化を受け入れられそうですね。
牛テールの煮込み、おいしそう♪
ところで蟻銀さん、日本人に見られないんですか?
実はわたしも、どこに行っても現地語で話しかけられてしまいます(笑)。
by lucksun (2006-04-12 00:42) 

こんばんは。
腸炎大変でしたね~。風邪も恐いです!
凄いですねブラジル!!
写真だけ見てると、日本では無いようですね(笑)
ブラジルと言えば、私も『セントラル・ステーション』ですね。
映画館で観たんだけど、たぶんブラジル映画は記憶の中では初めてかな。でも凄く良かったですねこの映画。でももうだいぶ前なんで内容忘れたなぁ~、また観てみようかなぁ~。手紙の代筆おばさんと子供の心温まるロード・ムービーだったとしか覚えてないので(笑)
by (2006-04-12 02:27) 

クリス

>lucksunさん
nice!にコメント、ありがとうございます♪
卒論一段落して、肩の荷がようやく下りましたね。でも、リサーチした内容はけっこう興味深くて、又ブログにも載せたいと思ってマス。
私、ちーっとも日本人にみられないので有名なんですよ(笑)中国人や韓国人、はたまたフィリピーナだね!なんていわれたこともあるし。日本人デス!っていうと、皆「ありえなーい」驚き方をするから、こっちが驚きますよ(苦笑)

>トチオさん
nice!にコメント、ありがとうございます♪
腸炎大変でしたよーって、今もまだジクジクしててコーヒーが飲めません(涙)本当に、うちの商店街は様変わりしていて、福音教会なんてのもあったなぁ。東海地方に住むブラジル人の数は、日本全体(24万人)の半数を占めてるそうです。
私も記憶の中じゃ「セントラルステーション」が初ブラジル映画でした。あの頃はまだブラジルも遠い存在で、ただ心温まる展開に癒されたのを覚えてます。時々観たくなる作品なんですよねー。
by クリス (2006-04-13 13:33) 

coco030705

こんにちは。
卒論おつかれさまでした。お風邪がたいへんでしたね。
私も今年の始めに風邪をひいたときは、胃腸にきて大変でした。
ところで、ブラジルの食材を売っている店って珍しいですね。
牛テールの煮込みなんておいしそうだなあ!焼肉屋のテールスープ
とかもおいしいですものね。ブラジルってどんな食べ物が有名なんですか?蟻銀さんはお友達といい、住んでる環境といい、ほんとうに
インターナショナルですね。
by coco030705 (2006-04-13 16:30) 

クリス

>cocoさん
nice!にコメント、ありがとうございまーす♪
やっぱり胃腸にきたんですか、、、。私の場合、胃は大丈夫なんでお腹は普通に空くんですが、腸がおかしくてあんまり食べれません。ちょっと痩せたからまぁいっか~と(苦笑)
ブラジル料理は、地域によってだいぶ差があるようですが、首都圏は豆や牛の料理が多いようです。混血民族ですし、いろいろな地域の特色が混ざりあった料理らしいですよー?
by クリス (2006-04-13 19:50) 

まみりん

こんばんは~。
腸炎だったんですか?それは大変でしたね。今はもう全快?フライング、大丈夫ですか??(笑)(私は人生そのものフライングって感じです)

まるで異国の街の写真のようですね。私の住んでるマンションは、最近インド方面の方が増えまして、スパイシーな香りが廊下などに充満してます。数家族住んでるのですが、お料理を持ち寄ったりするらしく、エレベータの中もスパイシー。お呼ばれしてみたい・・・
by まみりん (2006-04-14 01:14) 

クリス

>まみりんさん
nice!にコメント、ありがとうございます☆
腸炎、今もまだ時々腹痛を引き起こしてます。薬飲んでるんですが、効いてないのかなぁ?と思ったり。(私の人生は遠回りしすぎって感じです(苦笑))
ロンドンにいた時、バングラディッシュ人と一緒に暮らしたことがありますが、彼女が時々おすそ分けしてくれるカレーは絶品でしたよ~☆是非是非お呼ばれして下さいね♪私も、ポルトガル人に日本語を教える地域ボランティアに参加して(あわよくばお呼ばれ、、、)みようと考えてます。
by クリス (2006-04-14 15:58) 

蟻銀さん、肺炎ですか。大丈夫ですか?私も風邪の治りかけにぶりかえし、2月に入院したので、気をつけてください。ブラジル料理ですか。東京だとシュラスコの肉食べ放題ぐらいしか知りませんねえ。シュラスコは大好きです。
by (2006-04-15 15:17) 

ブラジルいっぱい、不思議な街ですね~。
お大事に!
by (2006-04-18 00:33) 

クリス

>katoyasuさん
腸炎だったんですよー。今もまだ痛むんで薬飲んでます。でも、だいぶよくなりましたよ!
シュラスコって食べたことないですよ~。次、ブラジル店行ったら聞いてみますよ。どんなものか。

>bikさん
どもども~。私の住む地方って、ブラジル人率が高いみたいです。最初は違和感を少し感じたけれど、今はなんかきっかけ作ってコミュニケートしたいと思ってます♪
by クリス (2006-04-18 22:17) 

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