ディセント（2005） UK ＜The Descent＞ [film reviews]
この予告編、去年、私がスコットランドにいた頃に観ていました。
インパクトはあったもののB級（もしくはC級）の匂いプンプンやし、イギリス製のホラーっていうと、最近はチラホラみかけるものの、「0：34 レイジ34フン」は評判よろしくなく、ホラー要素が空回りして笑いに転じる（「ブレアウィッチ２」みたいに）可能性もありそうやし、コケるんやないと軽く考えていました。
なのにこの作品、ヨーロッパ中を震撼させる（大袈裟？）ヒットを飛ばし、アメリカ、ついには日本にやってきたからには、それなりに観る価値はあるかも？と、「マイアミバイス」を観るつもりだった予定を変更して観てきました。
結論からいうと、これは怖かった。久しぶりにこんなに怖い思いをしましたよ～！
＜あらすじ＞年に一度の冒険旅行を楽しむ女６人、この年はとある地下洞窟のケービングを計画して、アメリカのアバラチア山脈にきていた。しかしケービングは、しょっぱなから突然の落盤によって退路を絶たれ、想像を絶する恐怖がひしめく暗闇の世界に、閉じ込められてしまう！
序章は、わかりやす～い伏線を観客に与えます。「それ」が今後どのようにストーリーに絡まってくのかなぁ？と束の間ボーッとしてると、突然飛び上がる程の衝撃が。この時、後方の観客の１人が、あんまり突然やったから、ジェリービーンズのようなものを散乱させてましたもん。
そして１年後。あらすじにもあるように、冒険旅行の為に女共が集まります。ここは思いっきり楽しく和気藹々。後々の悲劇を浮き立たせようという感じ。しかし仲間の１人、サラは心からこの雰囲気を楽しめない。その訳は序章に描かれているし、ここからの悲劇とサラのドラマがどう絡むのか、とても興味が持てる。
そこからケービングのシークエンスへ。地下洞窟という窒息感がたまらない舞台設定は、効果抜群。閉所恐怖症なら、しょっぱなから息が苦しくなって、映画館を飛びだし「ゼーゼー」したくなる。実は私は、イギリスにいた間に閉所恐怖症になりまして（理由は次のブログに）、あの閉塞感はたまらないというか、窒息寸前、中盤に差し掛かかってはやくもノックアウトされました。ヨワ～。
その後は医療系のエグいシーン、謎の生物の登場、仲間割れetc起こりそうなことが起こるんです。どれも予測可能な範囲なのに、暗がりなせいか演出・脚本のせいか、なにかくるゾ・・・と体中の神経細胞を駆使して身構えてる瞬間と、実際に起こるタイミングが噛み合わない為、思いっきり監督のツボにハメられました。スグ後ろのカップルは、驚いた拍子にポップコーンを散乱。二度目（最初の人とは別）があるなんて。
終わり方も、なんとなく気が晴れない→恐怖が続くようなラスト。はっきりいって、序章の伏線やサラ自身のトラウマ除去のようなドラマ設定は、その後に余り生かされてはいません。描かれてはいるもののかなり弱い。それは恐怖シークエンスに時間を掛けた代償なのか、元々監督にそれ程の力量がなかったのか。今作が２作目なら、これからが楽しみな監督かも。
とはいっても、このジャンルなら怖がらせたもの勝ちかもしれませんね。観終わった後、余りに怖くて「もうしばらくホラーは観ない・・・」と一緒に観たうちの彼、友達に私と３人口を揃えてしまったし。夏も終わり、朝晩は特に冷えてきましたが、一段上の寒さを体感したい方にはおススめします。レンタル鑑賞をお考えの方は、是非とも夜、部屋を真っ暗にして観てくださいね♪
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2003/12/21
- メディア: DVD
ニール・マーシャル監督第一作。英国ホラー界後継者となるか？第三作目に期待。
こんばんは。アメリカより日本の方が上映は早かったようですね。どちらも思ったより評判が良かったというので、私はレンタル待ちです。しかし、そんなにビックリ場面があるんですか、、、夜に部屋を暗くしてって絶対無理！一年前の伏線ってのが気になりますねぇー、楽しみに待ってましょう。
by hanashinobu (2006-09-13 19:20)
こんばんは～
私もレンタル待ち。近場での上映が無かったもので。
実はこの夏１番観たかったかもしれない作品だったのに、わざわざ渋谷まで行くのが億劫で観ませんでした。で、記事はスルーしてしまったのですが最後の４行だけ読んだら余計観たくなったですよ（笑）そんなに怖いの！！
by (2006-09-13 23:37)
まったくノーマークの映画でこの記事を読むまで存在すら知らない映画でしたが、がぜん見たくなりましたよ。というか、記事がおもしろすぎる！ジェリービーンズ散乱＆ポップコーン散乱のくだりには爆笑です。その様子を想像するだけで実におかしいですもん。ぜひポップコーン片手に（散乱させないために両手の方が良いかな）見てみたいですね～。
by bone-shaker (2006-09-14 00:10)
今、TVのマイアミバイス（再）を観ています。（テレビ東京／12ch）
若い時のドン・ジョンソンが好きなの。（現在のドン・ジョンソンはちょっとね。変わり過ぎちゃった。笑）だから映画の方は、まっいいかなぁ〜。（笑）
その恐い映画は劇場で観るといいんだろうなぁ〜と思います。やっぱり音がね。何たって迫力というものが。
でも、恐いんだろうなぁ〜。でもでも観たい。恐いもの見たさはありますね。
by berry (2006-09-14 07:26)
nice!にコメント、皆様ありがとうございます♪
＞hanashinobuさん
あ～、日本のほうが先に公開でしたか。アメリカの「プレミア」にとっくに批評が載ってたから上映されてたと思ってましたぁ。
１年前の伏線は、あんまり期待しないで下さいね。演出に、それ程生かされてるとは思えないし・・・。
でも、部屋は絶対に暗くして下さい(^-^) そうじゃないと怖くありませんし！
＞トチオさん
トチオさん程ホラーを観まくってると、そんなに怖くない部類かもしれませんが、私はそ～んなに観ないせいか、これはとびきりきましたね。「オーメン」とか「エクソシスト」系宗教ものよりも怖かったですもん。ゲッソリしちゃいましたよ～！
＞bone-shaker君
そやろ？散乱の辺りは、私も可笑しくて笑いをこらえてたってば。だって、６組くらいしか客は入ってなかったのにさ、２度もやるか～って（笑）よく冷静に考えれば、けっこうチープな作りやし、「ありえるか？」微妙な物体が出現したりするけど、その場の雰囲気に、観てる間は飲まれてしまうような感じなんよね～。
＞berryさん
マイアミバイスって、よくTVで再放送されてますよね～。私はまともに観たことがないから、映画版を観てからTV版かなぁって思ってます。
そうですね、劇場やとサウンドの迫力が違いますよね。後ろから迫ってくるような音響は、この手の作品にピッタリです。
私もけっこう怖がるくせに怖いもの好きで(^-^; ただ、しばらくはいいです。ほんとに。
by クリス (2006-09-14 19:26)
こんにちは。TB返しさせていただきます！
閉所恐怖症になってたのに洞窟にもいっちゃったんですか！？すごいですね～。
確かにサラのトラウマはあまり活かされていませんでしたが、正統派イギリスホラー監督として期待の持てる快作でした！『ドッグソルジャー』は昔観た記憶はあるのですが、あんまり覚えてないので、もう一回観てみようかと思ってます。
by (2006-11-21 10:53)
ジーコさん、こちらにもありがとうございます♪
イギリスから日本に戻る飛行機に閉じ込められるのも、気が変になるかとヒヤヒヤしてたくらいなのに、ニガテなものに負ける気がするのも嫌なんですよね(^-^; だから行っちゃいましたー。
監督の次回作も決まったみたいで楽しみです！
by クリス (2006-11-21 18:54)