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第80回、アカデミー賞を占ってみる! [feature films]

   脚本家組合のストによって、開催が危ぶまれたアカデミー賞ですが、いよいよ日本時間の明日午前10時から(?)となりました。wowowに加入して、会社もサボるぞ!と思っていたけれど、どーしても行かなきゃいけません。だって、4月からの給料改定に向けて、「実力評価シート」なるものを作っているからデス。たいしたことないことを、さもたいしたことのように書くのがミソらしい(笑) ここに書いた内容を最終的に人事が判断し、給料が上がったり下がったりするというから、ドキドキ。今回は特に、はじめての経験だし。一応書き上げているものの、(月)はスーパーバイザーのチェックが入って戻ってくるはず。(火)のインタビューに向けて、頑張りマス。

BEST PICTURE
『There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
       

   アカデミー会員が好きそうな雰囲気を持つ、『つぐない』なのかなぁと漠然と思っていたところ、この作品って監督賞にはノミネートされていませんね。これはちょっと痛いかも。『ジュノ』っぽい作品は、好感度がいくら高くても、去年の『リトル・ミス・サンシャイン』のようにノミネ止まりかな。
   『フィクサー』がなんともいえないけれど、結局、どっちもアカデミー向きじゃない気がするものの、『ノーカントリー』か『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』に落ち着くのかと。コーエン兄弟の犯罪劇か、PTAの濃ゆいアメリカ史か。アメリカンドリームに想いを馳せる会員が多いハズ(imdbのポイントも5作品中トップ)の、『ゼア~』に1票。大穴『フィクサー』か。

 

BEST DIRECTOR
イーサン・コーエン ジョエル・コーエン 『No Country for Old Men/ノーカントリー』

  • ジュリアン・シュナーベル 『The Diving Bell and the Butterfly/潜水服は蝶の夢を見る』
  • ジェイソン・ライトマン 『Juno/ジュノ』
  • トニー・ギルロイ 『Michael Clayton/フィクサー』
  • イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン 『No Country for Old Men/ノーカントリー』
  • ポール・トーマス・アンダーソン 『There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』

   ここは、予想上惜しくも作品賞受賞を逃したコーエン兄弟に軍配が上がると思います。逆に、コーエン兄弟に監督賞をと思っていたら、作品票は『ゼア~』。大本命のいないケースって、作品と監督が分裂することが多いし、コーエンとPTAを比べたら、キャリアを積んだ先輩格のコーエン兄弟じゃないかと。
   しかも、第71回の作品賞:『恋に落ちたシェークスピア』と監督賞:スティーブン・スピルバーグから、第76回、77回をのぞくと作品&監督が一緒の年、別々の年が隔年になっています。そして、第80回は別々の年ということもあって。

 

BEST ACTOR
ダニエル・デイ・ルイス 『There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』

  • ジョージ・クルーニー 『Michael Clayton/フィクサー』
  • ダニエル・デイ・ルイス 『There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
  • ジョニー・デップ 『Sweeney Todd/スウィーニー・トッド~フリート街の悪魔の理髪師』
  • トミー・リー・ジョーンズ 『In the Valley of Elah/告発のとき』
  • ヴィゴ・モーテンセン 『Eastern Promises/イースタン・プロミセズ』

   ここは予想もなにも、下馬評が天にも届きそうな高さのデイ・ルイスしかいないんじゃ・・・。前回の受賞は1989年の第62回と間はあいているし、『ギャング・オブ・ニューヨーク』の時に逃したことからも、今回は堅いハズ。ジョージは2年前の第78回の助演受賞が最近すぎるし、ヴィゴは影が薄い印象。ちょっと気になるのが、ジョニデ。最高演技とはいえないものの、『パイレーツ~』に続きこのテの作品においてノミネートさせたってことは、よっぽどあげたいんじゃないかって勘ぐってしまします。

 

BEST ACTRESS
ジュリー・クリスティ 『Away From Her/アウェイ・フロム・ハー~君を想う』

  • ケイト・ブランシェット 『Elizabeth: The Golden Age/エリザベス~ゴールデン・エイジ』
  • ジュリー・クリスティ 『Away From Her/アウェイ・フロム・ハー~君を想う』
  • マリオン・コティヤール 『La Vie En Rose/エディット・ピアフ~愛の讃歌』
  • ローラ・リニー 『The Savages/ザ・サベージ』
  • エレン・ペイジ 『Juno/ジュノ』

   唯一、劇場鑑賞している『エディット~』のマリオンに一票入れたいところ。歌が吹き替えだったことを忘れてしまう、渾身のなりきり演技だった。しかし、非英語圏の女優が主演女優を受賞したケースって、ささっとチェックしてみたもののここ10年か20年はみあたらない(よね?)。助演なら1996年第69回のビノッシュがいるけれど、やっぱり英語圏強しかなという気がする。助演男優がバビエルなら、なおさらといえます。
   他の候補者、ケイトの注目は、もっぱら助演候補となった『アイム・ノット・ゼア』に集まっているし、エレンは若すぎる。ローラはノミネート回数も3回目と、いつ受賞してもおかしくないものの、今回はノミネートされたことが、ちょっとしたサプライズになっている。すると、前哨戦において良い成績を納めているジュリー・クリスティーに軍配が上がる気がします。

 

BEST SUPPORTING ACTOR
ハビエル・バルデム 『No Country for Old Men/ノーカントリー』

  •  ケイシー・アフレック 『The Assassination of Jesse James/ジェシー・ジェームズの暗殺』
  • ハビエル・バルデム 『No Country for Old Men/ノーカントリー』
  • フィリップ・シーモア・ホフマン 『Charlie Wilson's War/チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』
  • ハル・ホルブルック 『Into the Wild/イントゥ・ザ・ワイルド』
  • トム・ウィルキンソン 『Michael Clayton/フィクサー』

   圧倒的な存在感を持ってブラピを食ってた(よく食われるけれど(笑))、ケイシーがもらっても不思議はないものの、やっぱり下馬評の高いバビエルをハズした予想はしにくい。本来なら、『フィクサー』が主要なところを逃がすとして、助演男優はノミネートも2回目となったトムにあげたいけれど、予告編なのに不気味な長髪が脳裏に焼きついたバビエルの存在感は圧倒的かも。本人は自身の姿に鬱気味だったらしいし。

 

BEST SUPPORTING ACTRESS
セルシャ・ローナン 『Atonement/つぐない』

  • ケイト・ブランシェット 『I'm Not There/アイム・ノット・ゼア』
  • ルビー・ディー 『American Gangster/アメリカン・ギャングスター』
  • セルシャ・ローナン 『Atonement/つぐない』
  • エイミー・ライアン 『Gone Baby Gone/愛しき者はすべて去りゆく』
  • ティルダ・スウィントン 『Michael Clayton/フィクサー』

   主演女優賞の欄に、ケイトの注目は、助演に集まっているって書いたものの、それが即受賞なのかというと疑問。『アビエータ』の前回受賞は2004年の第77回と、けっこう最近なことがネックかも。すぐに二度目の受賞をした感のあるヒラリー・スワンクだって5年は空いていました。ルビーが受賞したら、功労的意味合いがないこともないけれど、余りにも登場シーンが少なかった。『タイタニック』のグロリア・スチュアートももらえなかったし。
   じゃぁ誰かというと、この枠は若手に優しいところがあることから、『ピアノレッスン』のアンナ・パキンの再現を意図して、セルシャ・ローナンに一票。アンナのように、キャリアがパッとしなくなるのは避けたいけれど。

 

ADAPTED SCREENPLAY
『There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』

  • 『No Country for Old Men/ノーカントリー』
  • 『Atonement/つぐない』
  • 『Away From Her/アウェイ・フロム・ハー~君を想う』
  • 『The Diving Bell and the Butterfly/潜水服は蝶の夢を見る』
  • 『There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』

   このカテゴリーは、なにが獲ってもおかしくない気がしますが、一応、作品賞とセットということから『ゼア~』かな。

 

ORIGINAL SCREENPLAY
『Juno/ジュノ』

  • 『Michael Clayton/フィクサー』
  • 『Juno/ジュノ』
  • 『Lars and the Real Girl』
  • 『Ratatouille/レミーのおいしいレストラン』
  • 『The Savages』

   『レミー~』がそれほど優秀なら、観なきゃなって思う中、『フィクサー』と『ジュノ』の一騎打ちかなって気がします。ウィットに富んだ明るいストーリーが好評な『ジュノ』に票が流れそうな気がする中、『フィクサー』を書いたトニー・ギルロイって、実は『ボーン』シリーズも手掛けてます。これは手ごわい気がする・・・。うーん、悩む。ただ、純粋にノミネート作品を対象とするなら、『ジュノ』なのかな。

 

BEST ANIMATED FEATURE FILM OF THE YEAR

  • 『Ratatouille/レミーのおいしいレストラン』
  • 『Persepolis』
  • 『Surf's up/サーフズ・アップ』

   これは、脚本賞にもノミネートされている『レミー』しかいない。

 

 BEST FOREIGN LANGUAGE FILM OF THE YEAR
『Beaufort/レバノンからの撤退 』(イスラエル)

  • 『Beaufort/レバノンからの撤退 』(イスラエル)
  • 『ヒトラーの贋札』 (オーストリア)
  • 『Mongol』 (カザフスタン)
  • 『Katyn』(ポーランド)
  • 『12』 (ロシア)

   『ヒトラーの贋札』、おもしろかったデス。ただ、アカデミー程のチカラは残念ながら感じられず。『ラスト・コーション』が入っていない理由がわからないし、好きなロシア映画を押したいけれど、他映画祭の実績からイスラエル映画へ。

 

BEST DOCUMENTARY FEATURE
『No End In Sight』

  • 『No End In Sight』
  • 『Operation Homecoming:Writing The Wartime Experience』
  • 『Sicko/シッコ』
  • 『Taxi to the Dark Side』
  • 『War/Dance』

   マイケル・ムーアが破れて、(前回の受賞時の「ブッシュ、恥を知れ!」みたいに)「アカデミー、恥を知れ!」なんて叫ばないと思うけれど、今もなお混沌とするイラク戦争の内幕を語った『No~』を押します。

 

   とまぁ、好き勝手書きましたが、結果が楽しみデス!乞うご期待。


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りんこう

興味深く拝読いたしました。このように予想するのがまた楽しいですよね。
主演男優も助演男優もサプライズはないでしょうから、
他の部門でサプライズがあるのかどうか気になっています。
「潜水服は…」を観たばかりで、シュナーベル監督が受賞したら面白いなあ。
とか考えています…。ああ。この類の話をし始めたらしばらく止まらない。
by りんこう (2008-02-24 23:58) 

楽しみですね!
by (2008-02-25 03:32) 

coco030705

こんばんは。
もう発表がありましたが、クリスさんの予想かなり当たってますね。
さすが!
ジョニー・デップ、やっぱり賞を逃しましたね。残念無念!!
やっぱりミュージカルじゃだめなんでしょうか。
by coco030705 (2008-02-27 21:26) 

ken

今年は地味な授賞式でしたねえ。
それにしても「ノーカントリー」かあ。
エンディングが本当に納得いかないんだけど、どういうことかなあw
マリオン・コティヤールの主演女優賞はなんだかすごく嬉しかったです!
by ken (2008-02-27 22:39) 

魚河岸おじさん

ゆる会、唯一ボクが真面目に話したかもしれないコノ話題(笑)
「ノーカントリー」と聞いたとき、スグkenさんを思い出しました
マリオンが受賞したのは、本当に嬉しかったですね!
クリスさん絶賛の「ヒトラーの贋札」も見たくなりました
忙しくなりそうです(笑)
by 魚河岸おじさん (2008-02-29 16:45) 

クリス

みなさん、nice!にコメントをありがとうございました。
>りんこうさん、
男女優4賞に、一人もアメリカ人がいなかったのはサプライズでしたね!
>トチオさん、
トチオさんの結果発表にも、お邪魔しますね♪
>cocoさん、
思った程あたらなかったなーって印象なんです、実は。ジョニデは近い将来です、きっと。
>kenさん、
マリオンの受賞は、私もうれしかったです。なら素直に予想しておけばよかったと思いました。
>魚河岸おじさん、
「ヒトラーの贋札」、アカデミー向きな気がしませんでしたが、オモシロイんでおススめします!
by クリス (2008-03-02 11:18) 

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