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いつか眠りにつく前に (2007) US <Evening> [film reviews]

   so-net blog のkenさん魚河岸おじさん共催の、「ゆる会」に参加してきました。みゆき座に着くと、プラプラしているオッサン(失礼)2人組に偶然遭遇。「お~クリス、久し振り。」というkenさんの一声に、プチ緊張がすーっと抜けた気がします。上映後は、ミックさんと初めてお会いするkeiko_keikoさんもご一緒して、有楽町の飲み屋へ。
   
いつもいつも、余り映画のハナシをしないまま終わってしまうと評判な「ゆる会」(笑)。みんなの「ひきだし」が多すぎるせいかもしれないし、気が置けない会といえるかもしれません。とはいえ、少しずつ参加者の映画観がひも解けていく気もしています。そのうち、自身が持ち合わせていなかった、全然別の視点から映画が観られそうな予感も。

                                                    

   病を患い、最期のときが近いアン(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)は、若かりし頃(クレア・デインズ)に恋をしたハリス(パトリック・ウィルソン)の名をうわ言のように繰り返す。「ハリスと私がバディを殺した」という一言に、娘たちは戸惑う。40年前、親友ライラのの結婚式のため彼女の別荘を訪れていた彼女は、ライラの初恋の人ハリスと恋に落ちる。しかし、ハリスを慕うライラの弟バディ(ヒュー・ダンシー)が悪酔いし、悲劇が起こり---
   妙に老け顔になったクレア・ディーンズに驚愕。彼女の近作、『Shopgirl/恋の商品価値』や『幸せのポートレート』を観たときも、昔(『レ・ミゼラブル』、『ロミオ+ジュリエット』)の可愛らしさが消えた気がしました。そして今作の彼女は、頬がこけ、やけに老けた年上にみえた。その割に表情が乏しく、いつも「優等生」な立ち居振る舞いが、死期が迫り思わず口にしてしまう若かりし頃の後悔や懺悔と、やや結びつかない印象を持ちました。
   
ただ、現在・過去シーンの行ったりきたりは、編集が巧いせいか、ちっとも混乱させません。ドラマとしては、現在シーンのほうによりリアリティがあり、死期の迫ったアンが口にした、ある人の名(ハリス)が妙に耳に残りました。私だったら誰なのかと。上映後の飲み会時にも、「棺桶に持っていく秘密はあるか?」という話になりました。あるような、ないような・・・。どちらかというと、自身のことよりは、4月に76歳になる父のことを考えました。彼に死期が迫り、うわ言のように口にした一言に戸惑ったりするかなと。
   私が23歳の時、父がある告白をしました。とても驚き言葉を失い、口があんぐり開いてしばらく閉じなかった(笑)もしかしたら父は、「ある告白」にまつわることを口にするかもしれないという、思いに駆られました。念のため、母に対して不誠実なことじゃ決してありません。

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◇監督:ラホス・コルタイ 『男が女を愛する時』(撮影)、『Fateless』
◇原作:スーザン・マイノット 『魅せられて』
◇脚本:スーザン・マイノット
     
マイケル・カニンガム 『めぐりあう時間たち』(原作)、『イノセント・ラブ』(原作・脚本)
◇撮影:ギュラ・パドス 『ホテル・スプレンデッド』、『氷の微笑2』
◇編集:アリソン・C・ジョンソン 『その名にちなんで』
◇音楽:ヤン・A・P・カチュマレク 『太陽と月に背いて』、『ネバーランド』     
(スーパーバイザー)リンダ・コーエン 『カート・コバーン・アバウト・ア・サン』

◇出演:クレア・デインズ 『Uターン』、『消えた天使』
      トニ・コレット 『8 1/2の女たち』、『アバウト・ア・ボーイ』
         ヴァネッサ・レッドグレーヴ 『欲望』、『オリエント急行殺人事件』
         パトリック・ウィルソン 『ハード・キャンディ』、『ハサミを持って突っ走る』
         ヒュー・ダンシー 『スリーピング・ディクショナリー』、『ジェーン・オースティンの読書会』
         ナターシャ・リチャードソン 『ひと月の夏』、『ネル』
 


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ken

人それぞれが自分の出来事を振り返ることが出来る映画って
それはそれで成立しているような気がしますね。
映画の存在意義は充分にあったように思います。
…なんだ、いい映画なんじゃないか(笑)。
相変わらず映画のハナシをしなかったゆる会ですが、
これで参加者の人数が増えると、与太話をするグループと
映画の熱いハナシをするグループが生まれたりするかも知れませんね。
ま、なるようになるさ(笑)。
by ken (2008-03-02 14:05) 

魚河岸おじさん

鑑賞後、数日たってからのほうが味わい深いものがあります
もしかしたら、とんでもなくヨイ作品を見てしまったのかも・・・
ゆる会、捨てたもんじゃないですね(バカ)
kenさんが心配していますが(笑)
色んなグループが出来る位、たくさんの方たちと出会える会に
なって行けば、コンナに嬉しいことはありません
クリスさんが言うとおり、それぞれの映画の好みが
垣間見れるようになってきたのも、楽しいですね
マタ参加して下さい

by 魚河岸おじさん (2008-03-02 16:14) 

keiko_keiko

親に一応聞いてみましたが。ないといわれました。
でもきっと瀬戸際になってあんなことこんなことはなすんだと思います。
映画の話をするのは、ちょっと考えたのですが、その人その人の感性と受け取り方でだいぶ変わってくる。
幅も広いですしね。
だから、共有は難しいのではないかなと思います。
ただ、話をすることは出来るしそれにまつわることでこのうように集まれる会があるんもんなんだなあと不思議に思います。
大抵俳優の誰が好き!!とかで固まることが多いのかも。
だから、そのぶんこの会はゆる~いかいなのかもしれないですね。
お会いできて楽しい時間をすごせました。
またお会いできる機会があれば、その時は・・・
by keiko_keiko (2008-03-02 18:51) 

クリス

うまく改行されてない記事に、うずうずしますが・・・。

kenさん、
そうですね。皆さんとご一緒できたからこそ、いろんな思いを巡らせた気がします。ゆる会は、集まっている人が楽しんでる限り、よい方向に向くと思います。nice!をありがとうございました。

魚河岸おじさん、
後からじわじわとくるものと、やっぱり納得いかない箇所が大きくなる、分裂型映画ですね(苦笑)
ゆる会も、また参加させていただきます。nice!をありがとうございました。

keiko_keikoさん、
お会いできてうれしかったです。
確かに、映画を観た後の想いを共有するのって、なかなかムズカシイと思います。お互い別の考えを持っていても、尊重しあえればよいです。
俳優のなんとかが好き!って会なら、そのひとのことを死ぬほど語ってればいいんですけどね、映画って枠だと広くなっちゃうから。
又、お会いできますよね。楽しみにしてます☆
nice!をありがとうございました。
by クリス (2008-03-03 22:07) 

ミック

「ゆる会」で、映画の選択が難しいと言っていたのを
思い出しますが、今回も良い映画を選択されたと思います。
同じ映画を見た後にその映画につていいろいろ話が
出来るというのは至福の時です^-^♪
>いつも「優等生」な立ち居振る舞いが、
>死期が迫り思わず口にしてしまう若かりし頃の後悔や懺悔と、
>やや結びつかない印象を持ちました。
これか!と、思わせられました。
クリスさんはやはり映画の見方が深いです。感服です。
そして、バディーについてもドンズバな見解でした。
またまた、クリスさんにお会い出来て、嬉しかったです(●^∇^●)!


by ミック (2008-03-09 13:07) 

クリス

ミックさん
nice!をありがとうございます。
ほんと、その節は楽しかったです。
またご一緒して、観た映画について語りたいですね。それぞれの感想が新しい発見だったりするし。
by クリス (2008-03-10 23:10) 

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