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リターン・トゥー・マイ・ラブ (2005) US <Lonesome Jim> [film reviews]

   『ファニー・ゲームズU.S.』(原題)の後に観た今作に、かなり救われました。理由は『ファニー~』のレビューを観て頂ければわかると思います。ケイシー・アフレックは、最近気になっている俳優の一人。『オーシャンズ13』も、『ジェシー・ジェームスの暗殺』も、彼がひと際光っていましたね。

   作家になるという壮大な夢を持ってNYに暮らしてたジムが、なんの前触れもなく地元に戻ってきた。ダラダラと目的のない日々をすごす中、バツ一子持ちの看護師アニカと出会い、互いに惹かれるものを感じるがなんとなく乗りきれない。ジムの兄が自殺未遂を図ったり、母が誤認逮捕されるうちに、ジムの意識も少しずつ変わっていくが---
   日本にまだきていない作品かと思っていたら、劇場未公開→DVDスルーの運命を辿っていた作品でした。しかも変な邦題がついているし、ストーリーとの絡みがちっとも感じられない(タイトル)。けっこう地味めな作品だし、[Lonesome Jim](さみしいジム(直訳))のほうが雰囲気に合っています。そして、リヴが主役のような扱いをしているDVDジャケからも、メーカーの悲しい戦略がみえます。思いちがえて観た人の感想が悪くなりそうな。
   今作はブシェミ監督が人生の悲喜こもごもを、総じてクスクス笑えるスタンスに作り上げた穏やか かつ ほっとする作品です。母の溺愛によって2人の兄弟がグダグダな日々を送りながらも、わずかに差し込む光をモノにしようともがく姿。日本映画によくある脱力系というか、たわいもない暮らしの重なりからみえてくる、かけがえのないものをスロー廻しにみせていく感じ。いい
   それにしても。ケイシーの別の主演作、『ゴーン・ベイビー・ゴーン』もDVDスルーしてしまったし、こんなに注目しているのに、彼の知名度ってまだまだまだなの???

lonesomejimposter.jpg 
リターン・トゥー・マイ・ラヴ

リターン・トゥー・マイ・ラヴ

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD

◇監督:スティーヴ・ブシェミ 『トゥリーズ・ラウンジ』、『アニマル・ファクトリー』
◇脚本:ジェームズ・C・ストラウス 『リターン・トゥー・マイ・ラブ』、『さよなら。いつかわかること』
◇撮影:フィル・パーメット 『フォー・ルームス』、『ハードキャッシュ』
◇編集:プラミー・タッカー 『ガールファイト』、『イーオン・フラックス』   

◇出演:ケイシー・アフレック 『ラストキス』、『ゴーン・ベイビー・ゴーン』
     リヴ・タイラー 『再会の街で』、『インクレディブル・ハルク』
         ケヴィン・コリガン 『チェルシーホテル』、『ディパーテッド』
         メアリー・ケイ・プレイス 『I LOVE ぺッカー』、『マルコビッチの穴』
     シーモア・カッセル 『天才マックスの世界』、『ライフアクアティック』


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