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ザ・サヴェッジズ(原題)(2007) US <The Savages> [film reviews]

   ロンドン→成田間に観た作品。ローラ・リニーとフィリップ・シーモア・ホフマンが兄弟役なんて、なんて魅力的な配役なんだろう!と食いついちゃいました。しっかしこの作品は2007年製作なのに、日本公開が未定なんですね。30代、40代の層が呼べる作品なのに。

   ウェンディ(リニー)とジョン(ホフマン)は、父のパートナーの突然の死をきっかけに父の面倒をみることになる。互いにシゴトを持ち、確立した暮らしが壊せないゆえに衝突を繰り返す2人。父の頑固さも手伝って思うようにことは運ばず、お互いに責任をなすりつけ合う2人だが---

   現実的に、いつ降りかかってきてもおかしくない親の介護という問題を、この作品は自虐的に笑わせながらも温かく綴っています。主演2人のコメディエンヌぶりもおかしい。ドタバタ劇じゃなく、しかし可笑しいシーン作りは、繊細な気配り かつ センスがないと作れないはず。ローラとフィリップの演技力には定評があり、安心してみていたけれど、これ程2人にコメディのセンスがあるとは夢にも思っていなかった。さすがハリウッド俳優は、引きだしが多いですね。

   要介護となってしまった父親も含め、大人になりきれないまま中年に差し掛かった兄弟と、老人になってしまった父親と、皆に学歴があって知識も教養もあって、口にすることはもっともらしく聞こえながらも、目の前の現実をうまく処理しきれないところがやるせない。インディペンデント(独立)な暮らしが普通になってきた昨今だからこそ、たまには家族のことをふと考えさせる、今作のような作品もたまにはイイなと感じました。

   

The_Savages-Laura_Linney.jpg

◇監督:タマラ・ジェンキンス 『Fカップの憂鬱』、『ハッピー・アクシデント』
◇脚本:タマラ・ジェンキンス
◇撮影:モット・ハップフェル 『べディ・ペイジ』、『ザ・サヴェッジズ(原題)』
◇音楽:スティーヴン・トラスク 『
ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』、『イン・グッド・カンパニー』

◇出演:ローラ・リニー 『ルイーズに訪れた恋は』、『痛いほどきみが好きなのに』
      フィリップ・シーモア・ホフマン 『男が女を愛するとき』、『シネクドキ,ニューヨーク(原題)』 
     フィリップ・ボスコ 『ミッション』、『ワーキング・ガール』
     ピーター・フリードマン 『第七の予言』、『フリーダムランド』
     デヴィッド・ザヤス 『16ブロック』、『フィクサー』


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KURO

この映画を観たいですけど、日本公開はいったいいつなのでしょう?
配給が付く予定なしでしょうか?
Amazon.comで日本語字幕なしのDVDを買って観るしか方法はないでしょうか。

by KURO (2009-12-04 10:49) 

クリス

そういえば、この作品ってまだ公開してませんね?
このまま埋もれてしまう気もしますが、さすがにDVD化くらいはしそうですが・・・。

もしも気になって早くご覧になりたいってことなら、向こうのDVDを買うしか
ないかもしれません。残念ながら。
米国はリージョン1ですが、デッキはお持ちですか?
by クリス (2009-12-06 14:49) 

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