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英国王 給仕人に乾杯!(2006) Czech Republic / Slovakia <Obsluhoval jsem anglického krále> [film reviews]

   普通の人よりちょっぴり小さい青年ヤンは、億万長者になる夢を抱きながら駅ホームのホットドック売りをスタートし、レストランのウェイターを経て、プラハ随一の「ホテル・パリ」の主任給仕となる。やがて時は第二次世界大戦へと突入していき、プラハもナチス占領下となりドイツ人に敵対心を持つチェコ人が増える中、ヤンはドイツ人女性リーザと出会い恋に落ちていくが---

   この作品の主人公ヤンの人生を通して、実際に(現在の)チェコ共和国が歩んだ第二次世界大戦前後の歴史にを描いています。西欧の歴史よりも民族的な関連性が複雑に感じる中欧(または東欧)のおハナシです、余りこの地域の歴史に明るくないと、作品の隅々を楽しむことがムズカシイかも。

   とはいえ、ひょうひょうとした風貌に隠された、夢を追いかける貪欲な精神、世渡り上手な出世術には、学ぶことも多いかもしれない。運がいい人って、単純にラッキーなんじゃなくって、運を味方につける生き方をしているといつも思っています。ヤンもそんな一人です、たしかに時代の翻弄されてはいくけれど、本人は不運だったなんて微塵も感じていない。

   『白バラの祈り~』のゾフィー役だったユリア・イェンチが、今作じゃヒトラーに心酔するヤンの恋人役。という巡り合わせも面白かったけれど、やはり時代背景をきちんと掴めていなかった代償は大きかったかも。英国王の給仕はしていないヤンなのに、何故タイトルが『英国王 給仕人に乾杯!』なのか、今もモヤモヤと不思議に思っています。

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◇監督:イジー・メンツェル 『厳重に監視された列車』、『スイート・スイート・ビレッジ
◇原作:
ボフミル・フラバル 『厳重に監視された列車』、『つながれたヒバリ
◇脚本:
イジー・メンツェル
◇撮影:ヤロミール・ショフル 『パネルストーリー』、『解放者マサリィク

◇出演:
イヴァン・バルネフ 『英国王 給仕人に乾杯!
     
オルドジフ・カイゼル 『ダーク・ブルー』 
     
ユリア・イェンチ 『ベルリン、僕らの革命』、『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々
     
マルチン・フバ 『この素晴らしき世界』、『ルナシー
     
マリアン・ラブダ 『ガーデン』、『不思議の世界絵図


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コメント 2

onscreen

タイトルは尊敬していた給仕のチーフが「英国で仕えたことがある」くだりからきているのではなかったかと....
by onscreen (2008-12-31 23:10) 

クリス

そうでしたか~。全然覚えてないんですけどね。教えて下さって、ありがとうございました。
by クリス (2009-01-01 16:51) 

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