いつか晴れた日に(1995) USA | UK <Sense and Sensibility> [film reviews]
とうとうアカデミー主演女優賞を受賞したケイト・ウィンズレットが、初オスカーノミネート(助演女優賞)を受けるに到った作品です。ジェーン・オースティンの『分別と多感』を、アン・リーが監督、エマ・トンプソンが脚色。アカデミー脚色賞も受賞も受賞しています。今作を観て、アン・リーはいったい何処の人なんだ?って。映画監督は、彼の天職なんだ・・・とも思いました。
アン・リーは台湾に生まれ、NY大に通って映画を学び、アメリカ南北戦争も60年代のカウボーイたちも、第2次大戦中の中国も作品にする。今作は、イギリスの田舎における貴族社会を描いていますが、特に違和感は感じません。世界中の文化に、とてもオープンな人なんだと思います。多角的に、かつ限りなく正確に捉えられる眼を持っているんですね。柔軟性があるというか。
今作の舞台は、19世紀のイングランド。法により財産の相続は息子がすると決められていた時代に、主の死によって住まいをなくしてしまった主の妻と3人の娘の、その後のサクセス?ストーリー。2人の娘に、イギリスを代表する女優エマ・トンプソンとケイト・ウィンズレットが扮しています。2人とも、上手くて重厚。女性としての、儚さも持ち合わせています。
「分別」を持つ姉(エマ)と、「多感」な妹(ケイト)。「分別」を持つ姉は、意中の人がいながらも慎ましく振舞い、身の丈を超えた希望は胸の奥に押し込めていた。「多感」な妹は、軍人あがりの中年男性の好意を感じつつも、運命的な出会いをした青年に夢中。そんな2人が辿ったエンディングが面白かったです。
何故って、姉が得たものは妹的だった「運命的な愛」といえ、妹が得たものは姉的だった「安らぎの愛」。いつの間にか2人の運命が交錯していたんです。財力のある男性との結婚のみが女性のすべてだった時代に、女ばかりの家族が"サクセス" したストーリーでした。そう思えば、爽快 かつ ハッピーなエンディングが心地よく感じられます。
◇監督:アン・リー 『ウェディング・バンケット』、『恋人たちの食卓』
◇出演:エマ・トンプソン 『ウィンター・ゲスト』、『情愛と友情』
アラン・リックマン 『乙女座殺人事件』、『パフューム ある人殺しの物語』
ケイト・ウィンスレット 『クイルズ』、『愛を読むひと』
ヒュー・グランド 『ウェールズの山』、『ラブソングができるまで』
エンディングでの姉妹の解釈、
なるほど~と思いました。
上手く逆転していたんですね~^^
ラストは思いっきりハッピーでしたね!
私もいい気分で観終えることが出来ました。
by てくてく (2009-03-25 09:01)
観終わるまでは気がつかなかったんですが、姉妹の性格と逆の展開になってないかな?ってブログ書きながら気がついたんです。そこがオースティンのひねりだったらいいのだけれど。勝手な思いつきだったりして。
nice!をありがとうございました。
by クリス (2009-03-26 23:48)