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シリアの花嫁 (2004) France | Germany | Israel <The Syrian Bride> [film reviews]

   満開だった桜も、あっという間に葉桜になりました。毎年のことながら、あっけないよなぁ。とてもみじかい花だということも、日本人にとって桜を特別に感じる理由の一つなんでしょうね。といっても、葉桜も実はけっこう好きなんです。若々しい青葉がみられるのは、意気が上がるというか。若さを感じ、パワーをもらって、私自身も勢いをつけているんですよね。

   元はシリア領だった、ゴラン高原のマジュダルシャムス村。現在はイスラエル領となり、村人はイスラエル国籍を得る権利を持っているものの、多くの者はシリアへの帰属意識が強く「無国籍者」として暮らしていた。そして、村娘モナが境界線の向こうにいるタレルのもとへ嫁ぐ日がやってきた。彼女は二度とイスラエル側にいる家族に会うことは叶わない。

   どういう経緯があって、シリア領だったマジュダルシャムス村がイスラエル領となったかは、描かれていません。唐突に、花嫁が向こう側(シリア)へ行ってしまうと、家族に二度と会うことが叶わないという、強烈な現実を突きつけられたような思いでした。何故なら、『シリアの花嫁』を制作した国の1つがイスラエルだったからです。

   ウィキペディアによると、1967年の第三次中東戦争において、ゴラン高原はイスラエルに占領されました。その後、イスラエル軍が段階的に撤退することとなり、作品にも描かれていましたがゴラン高原は国連の監視下に入りました。しかし、今もなおシリア領になった訳じゃなく、イスラエルは貴重な水源としてこの地域の占領を続けているよう。

   イスラエルに反発する花嫁の父やその家族は描かれているものの、背景が読めなかったために今作の焦点は父親を軸とした家族に自然とあたっていきます。それがけっこう重みがあって、ストーリーが進み家族の緊張がほどけていくほどに、モナとの別れが" 嬉し悲しい" 状況を生みます。ラストの心情描写に納得がいかなかったものの、勉強になる作品でした。

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◇監督:エラン・リクリス 『カップ・ファイナル 』
◇出演:
ヒアム・アッバス 『パラダイス・ナウ』、『画家と庭師とカンパーニュ
     
マクラム・J・フーリ 『ガリレアの婚礼』、『ザ・ホワイトハウス6 』(2004~2005)<TV>
     
クララ・フーリ 『エルサレムの花嫁』、『ワールド・オブ・ライズ


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