私の中のあなた (2009) USA ＜My Sister's Keeper＞ [film reviews]
うちに46インチのSONYブラビアがきて、早20日がすぎました。きた時は、画面の大きさに胸が躍り、部屋への圧迫感に引越しも考えたりしましたが（笑）もうほとんど馴れてしまった感があります。好きな映画DVDをかけたり、KeaneのライブDVDを観たり。『24』を観ていると、作品のスピード感についていけず残像感もありますが、それもご愛嬌ってところかな。
サラとブライアン夫婦は、ジェシー、ケイト、アナと3人の子供に恵まれた幸せな家族。しかしケイトは白血病に冒されていて、末娘のアナはケイトのドナーとなるべく遺伝子操作によって生まれた子供だった。ある日、11歳のアナが弁護士を雇い、ケイトへの腎臓提供を拒み両親を訴えるという。ケイトを救うことが使命となっていたサラは、動揺し、激怒する。
ニック・カサヴェテス、あいかわらず熱いなぁって感じました。彼は描きたいものをストレートに表現するから、観ている者はときに恥ずかしくもなるけれど（『きみ読む』とか・・・）、彼の脳裏に決してないのは、"泣かせよう"というディレクション。これがちょこっと感じられると一気に冷めてしまうけれど、そういうあざとさがないニックは、あまのじゃくな私も素直に観れてイイ。
幸せ一辺倒とはいえない家族の、とはいえそれぞれの思いやりに溢れる作品。子供や夫を想うが故に、本人の思いをないがしろにしてしまうところがあるサラと、そんな暴走気味の母あの愛情を受け入れて輪になっていく子供たちと夫。血の繋がった家族といっても、家族らしさを作るのはやっぱり自然に上手くはいかないんだなと、改めて思いました。
ただ、逆に、ストレートすぎるが故に、アナが両親を訴えた理由・・・これ、今作の最大の肝だったはずですが、この理由が訴えようとした瞬間から判ってしまったことが残念。大好きな姉ケイトの余命を奪ってしまうというのに、アナが訴える口実に、説得力がほとんどなかった。ここはもう少し深堀りしないと、後にくるクライマックスへの盛り上がりに欠けてしまいます。
役者もみんなよかったです。『～リトルサンシャイン』のアビゲイルも、大人っぽくなってたな。キャメロンの捨て身の剃髪は、予告じゃ流さないほうがよかったのに。本編の衝撃度の低いことといったら! また、白血病のケイト役だった彼女の、儚い笑顔が眩しくて。ジェイソン・パトリックも久しぶりにみたけれど、『スピード2』の頃よりもいい感じに渋味がありました。
◇監督:ニック・カサヴェテス 『ブロウ』（脚本）、『ジョンＱ-最後の決断-』
◇出演:キャメロン・ディアス 『姉のいた夏、いない夏』、『ザ・ボックス（原題）』
ジェイソン・パトリック 『アラモ』、『告発のとき』
アビゲイル・ブレスリン 『幸せのレシピ』、『幸せの１ページ』
アレック・ボールドウィン 『エリザベスタウン』、『ハサミを持って突っ走る』
ジョーン・キューザック 『ワーキング・ガール』、『ハイ・フィデリティ』
「泣かせようというディレクションじゃないのがニックのいいとこころ」
なるほど、素晴らしい分析だと思います。だからダダ泣きしちゃうんだな、こっちが。論点がズレてるところとか、いろいろ不満はあったけど、満足度高し。
by ken (2009-11-26 00:13)
そうなんですよ。彼のストレートな表現には素直さが感じられて、ちょっと気恥ずかしいシーンになっても、かまえなくていいところは好きですね。
そういうところ、父親に似てるのかな・・・。ジョンの作品にも、そういうところが無きにしも非ずですよね。
論点ズレですか～、kenさんのレビュー楽しみにしてますね!
nice!をありがとうございました。
by クリス (2009-11-26 23:38)