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続・続・出産のこと。 [diary]

   開腹の縫合などの後処理は、開腹して赤ちゃんが出てくるよりもずっと時間が掛かるものでした。執刀医は大人しめに談笑しながらすすめていたから、手術としては問題なかったとは思います。けれど、私自身は今迄に経験したことのない具合の悪さに、手術室を出て、術後の状態を看るため病室に移る迄に入った前室のようなところで、とてもながく感じる30分間をすごしました。

   ながく感じたと言えば、帝王切開になった為、産まれてから後、赤ちゃんに再び会える時間もとてもながかったです。私の場合、次の日の15時30分だったから、前日の18時30分に病室に戻ってから、実に21時間後のことでした。というのも、術後の身体は思うようにうごかず、寝返りも打てず、看護師さんが赤ちゃんを連れてきてくれて、ようやくの再会となったのでした。

   はなしが前後しましたが…。病室に戻って婿とも会い、「赤ちゃんみた?」「可愛かったなぁ」「抱っこしたよ(婿)」などとはなしました。下半身の麻酔が少しずつしびれながらとれていく中、開腹したところがじわじわと痛みだしました。その痛みは一晩消えることなく、痛み止めや睡眠剤を点滴されましたが、夜中には発熱もし、ほとんど一睡もしないまま朝を迎えました。

   あくる日には、麻酔による不自由さはなくなっていましたが、午後からは歩行訓練をしましょうと言われたものの、ベットから上体を起き上げ、両脚を地面につけることができませんでした。お腹の痛みに負けてしまったのと、恐怖心でした。指導してくれた看護婦さんが、鬼のようにもみえました。「明日は歩かなきゃだめですよ」という言葉が、とても重く感じました。

   けれど、歩きはじめなければ赤ちゃんにも会えないわけで。持ち前の負けん気もあり、夜は寝返りの練習をひとりおこない、翌朝には点滴棒につかまりながら、背中の丸まったお婆ちゃんも顔負けな姿でしたが、赤ちゃんがいる新生児室迄、時間をかけて歩いたのでした。そして、出産後はじめて抱っこした赤ちゃん。お腹にずしんと重く、すぐ返してしまいましたが(苦笑)

   出産して16日、退院して9日が経ちますが、今もまだお腹はじくじくと痛みます。ちょっと歩き回らなきゃいけない時などは、前もって痛み止めを飲み、ときどき休憩を入れながらです。人によって状態もちがうとは思いますが、私は痛みが残ってるほうだと感じます。とはいえ、赤ちゃんのおせわはできるくらいに回復しました。その他の家のことは手を抜いていますが…。

   こんかいの出産を振り返ると、なんとか私が乗りきれたのはひとえに婿のおかげだと心から思いました。年末の忙しい中、時間を作って献身的につき添ってくれたおかげで、どれだけ精神的に救われたことか。それだけに、きっと本人は気にしていないだろうけれど、立ち会いを希望してくれたにも関わらず、それを叶えられなかったことが今も少し悔やまれています。

   術後の眠れない夜、帝王切開を希望せず一旦帰宅していたらどうなったか?と、「たら、れば」が頭の中で渦巻いていました。今さらそんなことを悔やんだって仕方ないのに、考えずにはいられませんでした。けれど、いちばん重要なのは、お腹にいた赤ちゃんが元気に産まれることでした。こんかいはそれが叶ったんです。だから、ほんとうによかったんだと思います。
   

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coco030705

この頃の外科的手術の後は本当にすぐ歩かせるんですってね。
そりゃ痛いですよね。でも一日でも歩かなかったら、筋肉が衰えるんでしょう?
つらいですね。
でもご主人様が出産まで付き添ってくださって、色々尽くしてくださったのが
よかったですね。出産はやはり夫婦でする共同作業かもしれませんね。
どうぞお身体をお大切にお過ごしくださいね。
by coco030705 (2013-01-12 22:17) 

きさ

大変でしたね。何と言っていいか分かりませんが、お大事に。

by きさ (2013-01-12 22:32) 

ken

およそウチの場合と良く似ています。
帝王切開だったせいで嫁さんは分娩室で別れて以来、翌日までムスメに会うことが出来ず、
抱っこしたのも僕が先、生まれたその日の様子を見ているのも僕だけ。
そんな状況を羨ましがっていましたね。
僕は僕でせっかくなのに会えない嫁さんを不憫に思っていました。
2年5ヶ月前のことですが、今でも鮮明に覚えているのは、喋りながらつい嫁さんを笑わせてしまったこと。
やっぱり五体満足に生まれてくれて、それが嬉しくて上機嫌でいろんなことを喋ったことを思い出します。
その度に嫁さんが「いてて、笑わせないでよ」と言ってましたね。
あー、もうひとり欲しいなあ。
まずはお大事に。お腹はのちに痒くなりますよw
by ken (2013-01-12 23:06) 

lucksun

本当に大変でしたね。
出産と一言で言っても、その前後には
いろいろなことがあるのですね。
ともあれ、無事に生まれて何よりでした。
しばらくはご主人に甘えて、お体大切になさってくださいませ。
by lucksun (2013-01-13 12:46) 

aneurysm

私の場合、交通事故で背骨手術して、
2ヶ月上を向いたままベットに縛り付けられて
動けませんでした。
で、”動いてもいいよ”となった時が
足は動かないし、血圧はおかしくて頭フラフラで
人生で一番辛かったです。

痛み止めも、いろいろ試しましたが
体質的に効かなかったみたいで、もう・・(笑)

大変だとは思いますが、
無理の無いレベルで、こまめに動いた方が
後々楽ですよ。
by aneurysm (2013-01-14 16:54) 

クリス

ココさん、
脚に血栓ができるとかで、うごけない間はずっと両脚に振動を与えるプロテクターのようなものを巻かれていました。早くうごかないとたいへんなことになると、看護師さんにどれだけ脅されたことか…(苦笑)お気遣いをありがとうございます。

きささん、
今となっては遠い昔のようで、家の中でうごきまわる分には、今はとくに問題なくやっています。けれど、ここでムリすると更年期にくるとも言われるので、できる範囲でやることにしています。お気遣いをありがとうございます。

kenさん、
帝王切開の状況はうちと一緒ですね。退院してすぐにガキ使の年末スペシャルを婿にみせられて、お腹が痛くて拷問のようでした(笑)うちも、またあの大変なことを繰り返すのかと思うと少し躊躇しますが、オトコのコがいてもいいなぁとは思ってます。あと、傷跡は、すでに若干かゆくなってきました…。

lucksunさん、
自分の出産を振り返ると、ほんとうに書き記したいことがいっぱいありましたが、他の方の出産のはなしも聴きたくなりました。けっこうなドラマが詰まってるんじゃないかと思います。今夜も、婿がスーパーで買いものしてくれます。ほんとによく手伝ってくれて、たすかってます^^

aneurysmさん、
2ヶ月もおなじ姿勢じゃ、感覚がまったく麻痺してますよね。お察しします。痛み止めが効かないと、ほんとに辛いですよねー。わたしも効きにくくて強いのをお願いしても、少しぐらい我慢しなきゃというモードで、あんまりとりあってもらえませんでした。今は痛み止めなしでそこそこうごけてますよ♪

by クリス (2013-01-15 20:03) 

コウスケ

クリスさん遅くなってしまいましたが
ご出産おめでとうございます!

記事を読む限り結構大変な出産だったみたいですが^^;
クリスさんも赤ちゃんも無事で安心しました^^

あと話は少し戻りますが
Keane のライヴで妊婦クリスさんを発見することはできませんでしたw
でも Keane のライヴ今まで見たライヴの中で1番と言っても過言じゃないぐらい良かったです!
by コウスケ (2013-01-20 21:33) 

クリス

コウスケさん、
ありがとうございます♪
出産って、ほんとにいろんな経験があると思いますが、わたしのはわたしのでなかなかタフなものでした。今となってはいい思い出となり、次は男の子がいいなぁなんて思ったりさえしますが、あの時はいっぱいいっぱいでしたね。
Keaneのライブが懐かしいです! あの心躍った一日のこと、遠い昔に感じるくらし生活が一変したかもしれません。とは言え、今もKeaneは大好きで、あのアットホームな愛のいっぱい詰まったライブはサイコーでした☆ことしは、サマソニあたりにきて欲しいです!(もちろん、いきます)
by クリス (2013-01-25 01:49) 

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