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イノセント・ガーデン (2013) UK | USA <Stoker> [film reviews]

   自然に囲まれた屋敷に暮らす少女インディアは、18歳の誕生日に最愛の父を事故で亡くす。心を通わせたことのない母エヴィとの二人暮らしに息詰りを感じるが、父の葬儀の日に行方不明だった叔父のチャーリーが姿を現す。インディアたちと暮らしはじめたチャーリーは、その知性とスマートな身のこなしで、インディアのみならずエヴィの心もとらえる。しかしチャーリーには秘密があった。

   映画はまんべんなく観て、苦手なジャンルを作らないようにと心がけてきましたが、どうしても食指がそそられないのが韓国映画というジャンル。パク監督作は『親切なクムジャさん』しか観ておらず、『オールド・ボーイ』もずっと心の片隅にとどまったままです。そのパク監督がアメリカで撮った作品ということで、やはり観たいと思ったきっかけはキャストに寄るところが大きかったです。

   ミア・ワシコウスカ、ニコール・キッドマン、そしてマシュー・グードという容姿端麗な3人が、それぞれに新境地を開いたと言えます。ミアちゃんは純真な小悪魔といったイメージがあったけれど、今作では決して抗えない性に感性が研ぎすまされていき、面の皮一枚めくったと言っていい程のインディアの変貌振りを、寡黙な中に多感なところを感じさせ、心の揺れを機敏に表現しています。

   ニコールが巧いとは前から思っていましたが、今作のエヴィという役柄はニコールのような気品があってエレガントなイメージの彼女が演じて、これほどハマるとは思いませんでした。エヴィは、娘からも義理の弟からも真剣には相手にされず(たぶん、死んだ夫からも)、退屈で寂しさでいっぱいなのにプライドが高すぎて素直に気持ちを口にできない不幸な女性です。空虚に包まれたような。

   そして、マシュー・グードが思いのほかよかったです。紳士然な身のこなしと誰からも愛される容姿を持っていながら、屈折した根深い心の闇を持つチャーリーを、瞳孔をみひらいた瞳やかすかな瞳の揺れによってミステリアスに表現していました。もちろん、監督の官能的な映像美にもそそられましたが、クセのある監督芸に少しも劣らなかった俳優陣のプロフェッショナルさを讃えたいです。

Stoker-Tennis.jpg

◇監督:パク・チャヌク 『親切なクムジャさん』

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coco030705

こんにちは。
見たいと思いながら見逃した作品です。いつかみてみますね。
by coco030705 (2013-08-15 16:10) 

クリス

マシュー・グードがかなりよかったです。『シングルマン』を軽く超えてました。nice!をありがとうございました。
by クリス (2013-08-23 20:40) 

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