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インポッシブル (2012) Spain <Lo imposible> [film reviews]

   2004年12月。ヘンリーとマリア夫婦は、3人の息子たちとタイのリゾート地を訪れていた。クリスマスの翌日、スマトラ島沖の巨大地震による津波に巻き込まれ、マリアと長男ルーカスは沖に流されたものの、大けがを負ったマリアは歩くこともままならない。一方、下の息子2人と共に崩壊したホテルに戻ったヘンリーは、息子たちを高台に避難させ自らはマリアとルーカスを探しにいく。

   Based on true story. スペイン人家族からイギリス人家族となり、映画化された今作。言わずもがな、この大津波が日本人に連想させるのは、2011年3月11日に起った東日本大震災の大津波です。それにより他国に比べて遅れての公開、宣伝もほとんどなかったかと思います。けれど、東日本大震災の後、すぐに打ち切りになった『ヒア・アフター』もさることながら、今作も秀作です。

   「事実は小説よりも奇なり」。実際に起ったとある家族の奇跡のようなはなしを、CGに頼らずリアルに再現した大津波や、ナオミ・ワッツらの熱演によって、殊勲の作品に仕立て上げました。けれど、今作が輝くのは、その家族メンバーのそれぞれが、他の被害者たちと時に身を削ってサポートし合い、それぞれの歓びや哀しみを共有する。そんな手の差し伸べ合いが、描かれていたからです。

   そしてもう一つ忘れてはならないのは、「諦めない心」です。幸いにも、これほどに絶望的な困難に直面したことはありませんが、そんな時こそ自らを奮い立たせて前へ前へと突き進ませるのは、諦めない気持ちだということを再確認しました。また、子を守る親の気持ちにも、とても共感して観ていました。娘を持つ親となって観たからこそ、マリアやヘンリーに自身を重ねて観ていました。

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監督:J・A・パヨナ 『永遠のこどもたち』

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