サイド・エフェクト (2013) USA <Side Effects> [film reviews]
インサイダー取引の罪を犯した愛する夫の収監に落胆する新妻エミリー。鬱病に悩まされた挙げ句、マーティンが出所した矢先に自殺未遂を起こしてしまう。エミリーの精神科医となったバンクスは、彼女に新薬を処方し症状の改善を図る。しかし新薬の副作用により夢遊病者となったエミリーは、その症状が出た際に夫を刺殺してしまう。バンクスは責任を追求され、窮地に追い込まれる。
大好きなソダーバーグ監督の、最後の作品として宣伝された今作。 日本においては、TV映画だった『恋するリベラーチェ』が後に公開を控えていたり、ややこしい宣伝文句でした。それに、監督の映画引退説も、どれほど本人が真剣だったか定かじゃなく、私自身は今作が監督の最後の映画とは信じてはいませんが…。最後にするには惜しいほど、監督の演出が冴え渡った作品でした。
今作のオチがしっかりオチるか否かは、ルーニー・マーラの演技に掛かっていました。プレッシャーもあったかと思いますが全く感じさせず、堂々と鬱病になった同情に値する妻を演じていました。ジュード・ロウも、一時騒がれたゴシップネタによって、あるイメージがついてしまった感が今も残るけれど、元来の天才的な俳優らしさを少しとり戻していた気がします。もちろん、脚本も秀逸です。
日本よりも、薬による精神安定を望む社会があたりまえとなったアメリカにおいて、この手の犯罪は考えるにたやすく、また、"サイド・エフェクト" の危険性についてはあらゆる方向性が考えられ、本作に描かれたものはほんの一部という気がしました。けれど、これほど巧みに重なり合った思惑や誘惑、欲望や策略をみたのは久しぶり。しかも交通整理がしっかりしていて、明解な作品でした。
サイド・エフェクト スチールブック仕様 [4,000個 初回数量限定生産] [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: 松竹
- メディア: Blu-ray
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