ドリンキング・バディーズ (2013) USA <Drinking Buddies> [film reviews]
ビール工場で働くケイトとルークは、気を許し合う仲だった。ルークにはジルという彼女がいたが、ケイトにも最近クリスという彼氏ができた。お互いの恋人も交えて別荘へ泊まりがけの旅行に出かけた2人は、お互いの恋人たちが寝静まった後に妙な雰囲気になってしまう。旅行帰りに、クリスから別れを告げられたケイトをルークは気にかけて誘い出すが、ケイトは彼にあたってしまう。
昨年の東京国際映画祭、一本目だった今作。観賞後にプロデューサーのティーチインがあって、なかなか楽しめました。こういうとき、自分アピールな質問、たとえば作品とあまり関連なく、自分がどれほど映画通かを訴えたり、言葉巧みに崇高な作品解釈をしているようにみせかけて、深読みしすぎじゃ…と突っ込みたくなることもよくありますが、今作は一貫してほのぼのしていました。
今作における監督のコンセプトは、「仲のいい異性の友達同士が、友達でい続けることを選択する」だったそうです。本音で語り合える飲み友達、居心地のよさと異性としての魅力を感じながらも、余りにしっくりしすぎる余、今の関係を壊すことに抵抗がある。それに、お互いの恋人たちへの気遣いも。いちばん近いのに、本音も言い合えるのに、心に秘めている想いは口に出せません。
少し近づいたり遠のいたり、けれど決してくっつかない距離感が歯がゆくもあり、好感が持てたりもし、心の隅っこをくすぐる作品でした。ケイトとルークがほんとうによく飲むんですが、飲んで乱れたり自己嫌悪に陥ったり、少しだらしなくもみえるけれど、等身大の人間らしさがいっぱい詰まった自然な作品でした。背中越しのショットも多く、ドキュメンタリーっぽくもありました。
◇監督:ジョー・スワンバーグ 『ドリンキング・バディーズ』
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